富士市 FUJI CITY Official Site

富士市
広報ふじ > 昭和58年 > 昭和58年3月5日 360号 > 【広報ふじ昭和58年】ふるさとの昔話

【広報ふじ昭和58年】ふるさとの昔話

病気をなおす神様 宮下の伊勢塚さん

 宮下には、「お伊勢塚」さんといって、病気を直す神様が祀(まつ)られています。昔は、多くの人がお参りに来ましたが……。
 これは、宮下に住む佐野さんが、子どものころ、よくお年寄から聞かされた話です。

語ってくれた人 佐野忠夫さん(66歳) 宮下
- 写真あり -


病気の旅人が…

 いつごろのことだかわからんけどな、昔な、いくんちもいくんちも雨の日が続いたことがあったそうだ。
 そのころぁ富士川は、渡し船でむこう岸の岩渕へ渡ったもんだけどな、みゃあんち(毎日)雨だもんで船場あ旅人でいっぴゃあで、宮下まで来たんだって。そのころのたびゃ(旅は)難儀だったようだ。その中でな、お伊勢参り途中の1人の重い皮膚病をもった年寄がいたそうだ。
 あんまり汚にゃあもんでな、どこの家(うち)でも泊めちゃあくれにゃあので、雨に打たれて、とぼとぼ杖を頼りに宮下村まで来てな、ある家のとば□に立ってなあ、「ひと晩とめてくだせえ」と頼んだそうだ。その可哀想な姿を見て、情け深いその家の人達は気持よく泊めてやってな。やれお風呂だ、ぬくてえおかゆだ、とそりゃあ親身に世話してやったそうだけんどなあ、なにしろひどく病んでいる上に、雨に叩(たた)かれて何日も歩いて来たもんでなあ、身体か弱ってしまったのだな。とうとうそれから間もなく死んでしまったそうだ。
 死ぬ時にな、「どうか私をここへ祀(まつ)ってください。そうすれば、今後私と同じ病で苦しむ人たちを救ってあげられる…」こう言い残したので、その家の人をはじめ、村の人たちがカを合わせて、そこへ祠(ほこら)を建ててやったと。


  この欄で昔話しを語ってくれるお年寄りを探しています。
 あの人が知っていそうだという情報でも可。連絡先は市役所広報広聴課 電話番号 51-0123 (内線 528)
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
E-mail kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp