配給通帳を使ってお米を買う人は今では、まずいないでしょう。
制度の建前と日常の実態がかけ離れていたのが「食糧管理法」です。
この法律は、太平洋戦争時の昭和17年に、食糧の不足を配給制度によって公平に配分するために作られましたが、ほとんど変えられずに来たので、今の時代にそぐわない問題が生じていました。
しかし、この食糧管理制度は、日本人の主食である米に関して重大な役割を持っています。
このため、国が責任をもって国民へ供給し、稲作の安定を図るという基本を維持しながら、現状に合った法改正が行われました。
そこで、どのように改正されたのか、そのあらましを……。
●配給制度の廃止
米を公平に配分するために設けられていた、配給制度が廃止されました。それによって米穀通帳は、通常の時には必要ありませんので廃止されました。
しかし、緊急時には、配給制度の復活できるようになっています。
●基本計画と供給計画
政府が消費者と生産者との間に立って品質への配慮や時々の需給に対応していくため、米の管理に関する基本計画をつくり、毎年公表していくことになりました。この基本計画は関係者の指針ともなるものです。
また消費者に米を安定して供給するため、供給計画もつくることになりました。
●業者の監督と責任の明確化
生産者と消費者の間で集荷や販売を行っている集荷業者や卸・小売の販売業者を、国や県の監督のもとにおくことにしました。
集荷業者は農林水産大臣の指定制に、販売業者は知事の許可制です。
これは、品質面も含めた必要量の確保、価格の安定、流通の円滑化などを図り、責任を明確にするためです。
●縁故米や贈答米などの規制緩和
親類や知人の間などで、無償で行われる縁故米や贈答米の規制はなくなりました。
また、売渡し譲渡などの規制もゆるやかになり、米の生産者が労賃などで現物支払する場合玄米30キログラム以下、生産者以外の人は精米10キログラム以下の譲渡ができます。
- 図表あり -
- 写真あり -
( 写真説明 ) 富士米殻での精米のようす
( 写真説明 ) 米袋が続々と積まれます(富士米殻で)
( 写真説明 ) お米はこの看板の店で買いましょう