富士市 FUJI CITY Official Site

富士市
広報ふじ > 昭和58年 > 昭和58年2月5日 358号 > 【広報ふじ昭和58年】4年の歳月をかけ 古代・中世の謎を解く

【広報ふじ昭和58年】4年の歳月をかけ 古代・中世の謎を解く

西富士道路埋蔵文化財発掘調査まとまる

 市教育委員会は、昭和53年4月から4年間にわたり、西富士道路埋蔵文化財発掘調査を行いましたが、このほど調査結果をまとめた報告書を発行しました。 発掘の経過や出土遺物をこと細かに集約した報告書では、調査地域が奈良、平安時代の大集落(東平遺跡)であり、全国的にもまれにみる遺跡群であった、と報告しています。そこで、この調査結果の概要について紹介します。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 西富士道路埋蔵文化財発掘調査図

東平遺跡から大規模な住居群

 この調査は、昨年4月に開通した西富士道路及び、これに接続する田子浦臨港線の建設に伴い行ったものです。発掘調査面積5万9,230平方メートルを、AからFまでの6地区に分けて調査し、総事業費は約3億円。
 調査区域には、奈良、平安時代の追跡といわれている東平遺跡があるため、その解明がなされるものと高い関心を集めました。
 調査の結果、竪穴式住居址129軒、倉庫跡と考えられる堀立柱建造物址53棟が発見されました。先の昭和40年に行った調査と合わせると、実に竪穴式住居址250軒、掘立柱建造物址61棟にもなります。これは、この時代のものとしては、県内でもまれな大集落であったといえます。


律令体制の中心的役割

 今からおよそ1,200年位前の奈良時代、都では律令(現在の法律)に基づき、天皇中心とした中央集権の政治が強くおし進められていました。
「青丹(あおに)よし、寧楽(なら)のみやこは 咲く花の薫(に)ほふが如く 今盛りなり」と歌にもうたわれているように、大内(だいたい)裏(り)に通じる都大路には、市(いち)もたち全国から集められた特産物もそこで取引きされ、都の生活は活気に満ちあふれていました。
 この同じ時代に、富士市にも東平遺跡を始め、天間代山、中桁、国久保、舟久保、宇東川などに、人々が生活していた跡がうかがえます。しかし、都の豊かな生活に比べ、人々はそまつな竪穴式住居に住み、律令に基づく税負担や労役に窮々とした生活を送っていました。
 このような中で、東平追跡は他の追跡と比べ規模がきわだって大きく、他の集落とは異なり、律令体制の中での地方の中心的役割を果していた集落であったと思われます。


焼けたままの住居跡も

 東平遺跡(伝法A地区)からは、先にも述べたように、竪穴式住居祉や堀立柱建造物址のほか、遺構や数多くの土器、鉄製品などが出土しました。
 住居址の中には、カマドに釜をかけたまま急に家を引っ越してしまい、釜に使っていた土器がそのまま出てきたり、火事のため1軒が全焼してしまい、柱に使っていた丸太や板などが、そのまま灰になって残っていた住居址もありました。
 この他、「須恵器(すえき)」と呼ばれる灰色の土器や「土師器(はじき)」と呼ばれる素焼きの土器、鉄製品として、鉄鏃(ぞく)・刀子(とうす)・ちょうな・糸車なども多数出土しました。


墓穴に古銭など

 B、D地区とした東名インター東側からは、墓跡とも考えられる土拡(どこう)が約500基と溝状遺構、それに古墳1基が発見されました。
 土地は、室町時代から江戸時代初めにかけてのものと思われ、ほとんどが直径1メートル前後の円形です。十数グラム土拡からは、人骨に伴い天目茶碗(てんもくちゃわん)、火打ち石、小柄(こずか)、古銭などか出土しました。このようなことから、当時、死者の埋葬の際にこれらの物をそえる風習が、すでに始まっていたと考えられます。そして、これらの遺物が限られた土拡から出土していることは、生前の身分を意味していたのではないでしょうか。
 また、この調査区からは、縄文土器片、布目瓦片、中世・近世の陶磁器片、中国銭が出土しています。

ほぼ完全な状態の横沢古墳

 F地区とした横沢古墳は、直径約16メートルこの大型円墳で、6世紀の後半から8世紀初頭までのころのものと思われます。墳丘の保存状態は極めて良く、住時の姿に近い状態でした。
 この古墳の特徴は7世紀ころ奥壁を造り変えており、このようなことは他の古墳には、あまり例が見られません。出土遺物は、石室及び前庭部、溝などから人骨、馬具、鈴、直刀などが多数出土しており、中でも金銅製の鈴は他に例がありません。これらの遺跡から出土した遺物を研究することによって当市の古代から中世における人々の生活実態や文化を知ることができます。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 竪穴式住居址
( 写真説明 ) 上空から見た東平遺跡発掘現場
( 写真説明 ) 発掘調査面積は約6万平方メートルに
( 写真説明 ) 横沢古墳出土・金銅製鈴

富士市の古代史を知る資料に

西富士道路埋蔵文化財 発掘報告書を発行

 4年間にわたる西富士道路埋蔵文化財発掘調査は、当時の歴史を解明する上で貴重な調査となりました。 市教育委員会は、この調査結果を多くの市民に知っていただき、また、本市の古代史を知る上の資料として活用いただこうと、報告書を発行しました。部数に限りがありますので、お早めに申込んてください。

■西富士道路埋蔵文化財発掘調査報告書 (A4版)
「東平」遺物・考察編
「東平」遺構編
「東平」遺物図版集
 価格 1万5,000円
「横沢古墳、中原1号墳、伝法遺跡群、天間地区」  価格8,000円
☆申込み、問合せ先 教育委員会文化振興課 電話番号 51-0123 内線 610

- 写真あり -
( 写真説明 ) ■限定販売!
( 写真説明 ) ■価格 1セット 2万3,000円
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
E-mail kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp