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【広報ふじ昭和57年】ごみの分別収集結果 予想以上の成果があがる

65パーセントも減った埋立ごみ

 市民のみなさんの協力により、昨年10月から市内いっせいに実施したごみの分別収集結果が、このほどまとまりました。この結果、分別収集は資源の再利用、埋立ごみの減量に、予想以上の成果をあげています。
 今回は、この分別収集結果について、厚原中に住む主婦、竹内幸子さんにレポートしていただきました。

レポーター
主婦 竹内幸子さん(42歳)厚原中
- 写真あり -


売却金は約1,800万円

 「ヤレヤレ面倒なことになるナー」昨年、資源ごみの分別収集の協力呼びかけ案内を見た途端、小さな溜息がでたのは私ばかりではなかったと思います。一年を経過しましたが現在はどうでしょうか。その成果を担当課の環境衛生課で聞いてみました。一年間の売却金は、約1,800万円にもなり、これを市民1人あたりに換算すると約86円になるそうです。
 3円、5円安いからと遠くのスーパーへ飛ぶ、やりくり主婦の目からすると、それは尊い金額だと思うのです。埋立ごみの総量は、前年対比で5,720トンも減り、ごみの減量にも大きな成果があがったといえます。
 ただし、うっかり出すのを忘れたりすると、1か月は家庭にストックされたり、今まで可燃物以外、ほいほいとまとめて出していたものが、約束日以外はダメ。その辺のわずらわしさがあるのも事実です。
 何事によらず、まとめるということは、個人個人から協力を得ずして成り立ちませんし、ごみについては無関心という人はないはずです。人口増加は、産業発展の源となり、それと併用して、ごみの問題も大きくなるでしょう。公の中で、市民ひとりひとりの協調性とモラルの高揚が問われる時代となりました。



徹底したいびんの仕分け

 市内にあるびん回収業者を訪問してみました。ここには、分別収集によって回収されたびんが、すべて集められています。ここでは、原料として再生されるびんと、そのまま再利用されるびんに分けられます。大きな倉庫に見なれた空びんが山積みされているのには驚きました。ここで気づいたことは、今まで死びんだと思っていたびんが、思いもよらず生びんとして束ねられていたことでした。たとえば、慶弔用にいただいた酒びんや調味料びんなど。ドリンク、医薬用、化粧品以外のびんは、ほとんど生びんなのです。
 ちなみに、全国の回収びん一覧表を見ると、洋酒・ワインびん85種類.酒・調味料びん10種類、ビールびん10種類、飲料びん39種類というように、数多く分類されています。
 収集場所によっては、生びんと死びんの仕分けが、まだ徹底していない所もあるように見うけられます。
 昨年の10月から1年間に分別収集で回収されたびんは、生びんが414トンで383万円、死びんが1,477トンで233万円だったそうです。今まで、これらは、無条件で埋立ごみとして処分されていたのです。しかも、トン当たり4,500円も費用がかかっていたとのこと。この開きの大きさを伺い知るとき、行政と市民が一体となった成果に、大きな喜びを感じずにはいられませんでした。

地域で生かされる還元金

 さて、還元金についてはどうでしょうか。和田町2丁目の町内会長、杉山寿美雄さんのお宅へうかがい、その点を聞いてみました。
 この町内では、自主防災用具購入の費用にあて、防災器具や保存食などを確保し、また、年2回の廃品回収の売上金と合わせて、防災体制をガッチリ整えたそうです。
 還元金については、各町内にゆだねられ、それぞれ独自性をもって地区のために生かされるそうです。
 東海沖地震がクローズアップされている現在、“いざ”というとき、このような備蓄は住民パワーの結集として、大きな力となるのではないでしょうか。
 ごみ問題は、可燃物についても省力化の余地が多々あると思います。
 資源総輸入国で暮らしている私達は、もっとこのごみ問題に深い関心を払うべきだと思います。
 また、ごみを出すルールを無視しての、早朝・夜中など車からの投げ捨てや収集日以外に出したりすることは、ごみ以前に人間性の問題だと思います。
 将来、着実な歩みとして小さな守りから大きな実りをとするには、市民総ぐるみの努力が必要だと思います。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 市内のごみの収集量(昭和50年度〜56年度)

- 写真あり -
( 写真説明 ) 回収されたびんは、1本1本仕分けされます
( 写真説明 ) 収積場所をレポートする竹内さん
添付ファイル
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