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【広報ふじ昭和57年】ふるさとの昔話

石うす挽(ひ)きながら背負われて聞いた歌

島崎いささん(88歳)本市場新田
- 写真あり -


曇らばくもれ箱根山……

 「曇らばくもれ箱根山。晴れたとて、お江戸がヨウ見えるわけじゃない。さてはエー。」
 この歌の題はとんと知らんが、母親が石うすを挽きながら、よくうたっていた……。わたしゃその母親の背中に負われて聞かされたもんだヨ。
 実家は岩本にあってナ、母親も同じ村の出だから、ずっと昔からこの辺に伝わって来た歌なんだろうヨ。
 石うすで挽くものは、どこの家でもそばや小麦。米のご飯はめったに食べられん。そばやうどん、それにすいとんをよく食べたもんだよ。
 昔の子供はよく働いたヨ。朝は3時に起きて、桑の葉を採ってお蚕(かいこ)さんの世話をし、6時には田んぼへ行った。百姓仕事も、今とはくらべもんにならんほど大変でな。とにかく体をこき使った。その上、夜はよなべ仕事だ。男は縄をなったり、女は針仕事、子供は年寄りの肩たたき。
 その駄賃として月に50銭もらうのが楽しみでなあ。はっはは……。
 「曇らばくもれ箱根山………。」今ではうたう人もおらんようになったが、こうしてたまにうたうと、昔のことが思い出されてのう……。

- 写真あり -
( 写真説明 ) この楽符は富士市少年少女合唱団指揮者の辻村典枝さんに採符してもらいました。
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