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【広報ふじ昭和57年】見なおしませんか 米の魅力

 米は、世界に誇る優れたタンパク源として、わが国の長い歴史のなかで日本人の食文化を築きあげてきました。
 しかし、近年米の消費は減少しています。
 こうした傾向を放置すれば栄養の偏りが問題となるおそれがあるばかりでなく、食糧の自給率の低下につながることにもなります。
 今、改めて米を中心とする「日本型食生活」の良さを見直すことが求められています。

良質で経済的なタンパク源

 米を食べると太るという説がありますが、それは違います。太るのは、運動不足と砂糖類や動物性脂肪のとりすぎなどの栄養過多が原因です。
 また、米は頭を悪くするという説も、まったくの迷信に過ぎません。米には脳の働きを妨げるものは含まれていません。居眠りや物忘れの大半は、過労や寝不足不摂生や心配ごとによるビタミンやミネラル不足で起るのです。
 間食を避け、米を中心としたバランスのとれた食事をすることが何よりも大切です。
 米は日本人の身体に最も適した食物であるばかりか、近年では、外国でも健康食として米が見直されています。

昔に返って雑炊をおすすめします

調理師 松岡政広(まさひろ)さん(41歳)(富士駅前飲食店経営)
- 写真あり -

 今はいろんな食べ物が手近にありすぎて、米のありがたさを忘れ、米離れがあるのは確かですね。
 米は良質で、しかも経済的なタンパク源として世界に誇る食物です。そうした米をもっと大切にしていきたいものです。かつて、米に必死になった時代のことを、思い起してみましょうよ。
 米の魅力の再発見をしていただくために、みなさんにぜひとも雑炊をおすすめしたいのです。
 残ったごはんと台所にある手近な材料で、誰にでも簡単に出来るのが雑炊です。
 白いごはんだけがごはんではありません。ごはんの白さだけを追い求めると、どうしても副食による塩分のとりすぎや、栄養が片寄りがちになり体によくありません。その点雑炊は、まんべんなく栄養が行きわたり過多にもならない能率的な食物です。しかも、材料によって味の変化がいろいろに楽しめます。さらに、標準米や下等米でも十分おいしくいただけます。必ずしも銘柄米だけがよいとは限らないんですよ。
 これから冬を迎えると、どこの家庭でもナべ料理が多くなると思いますが、それにごはんを入れるだけで、エキスの入ったうまいだし汁の雑炊になります。早速試してみてはいかがですか。
 雑炊だけでなく、たき込みごはんもよいと思います。さつま芋を入れることによって、ごはんに甘みが増して一段とおいしくなりますし、サケやサンマなどのたき込みごはんもいいですね。たいたごはんに、サケをほぐして、しそやごまを手早くあえてもなかなかおつなものです。いずれにしても、昔に返ってみてはどうでしょうか。味の新発見をすると共に、なつかしさと子供への教育にもなるものと思います。(談)



−雑炊のつくり方−

 土なべに水・ごはん・ちりめん干し・しめじ等のきのこを入れ5分位火を通す。ニラ又はネギとタマゴを入れてしばらくしたら火を止める。削り節とノリ、それにユズを加えてめしあがってください。

◇米の栄養価

 米は76パーセントのでん粉7パーセントのタンパク質が主な栄養素ですが、このほかにいろいろな栄養素が含まれています。
 消化吸収率もよく精白米100g当たりの熱量は352カロリーです。

- 図表あり -
( 図表説明 ) タンパク質10g摂取の単価比較
( 図表説明 ) 資料:総理府統計局「小売物価統計調査報告」昭和57年2月
添付ファイル
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