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【広報ふじ昭和57年】第11回世論調査の結果

市民憲章の制定を市民の多くが望んでいます

 みそ汁の味を知るには、全体をよくかきまぜてひとすくい味見すればわかります。
 世論調査もそれと同様でわずか1パーセントの少数でも、抽出の方法次第で全体の傾向をおおよそ知ることができます。
 今年で11回目を迎えた世論調査のテーマは「市民憲章について」。富士市民憲章を考える市民懇話会が発足したのを機に、市民の関心度や意識をつかみ、今後の制定にむけての参考にしようと、去る8月中旬に実施しました。以下はその結果報告です。


−調査の方法と回収状況−

 住民基本台帳に記載されている、満20歳以上の男女の1パーセントに当たる1,426人をコンピューターで無作為に選び、無記名の回答をお願いしました。
 調査の方法は面接と郵送とを供用し、面接では市役所に勤務する職員のうち335人がボランティア活動として参加しました。こうした方法による調査は全国的にもあまり例がないとりくみです。
 職員が担当したのは全調査対象者の82.2パーセントに当る1,172人。残り17.8パーセント254人は郵送により実施しました。
 全体の回収率は1,217人(85.3パーセント)で、これまで11回行った世論調査の平均回収率64.3パーセントとくらべて高く、3番目の回収成績でした。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 回収結果



●質問1 市民憲章のねらいについてどう考えますか

市民憲章のねらい
 市民一人ひとりの幸せと自分たちの住むまちを、みんなの力で明るく豊かで住みよいまちにしていくよう、市民としての共通の目標や役割を明らかにし、そのことを日常の生活や行動のなかで努力していこうというのが市民憲章のねらいです。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 図1 *百分比は少数第2位で四捨五入

■理解できると答えた人の内訳
 上記のような市民憲章のねらいについて「理解できる」と答えた人は73.7パーセントでした。この内訳をみると、男(77.0パーセント)は女(71.5パーセント)より5.5パーセント多く、年代別ではおおむね平均していますが、60歳以上が80.4パーセントと突出しているのが注目されます。
 また、職業別では専門管理職が87.0パーセント。農林漁業は80.4パーセントと多く、少ないのは無職の69.1パーセント、自由業の71.4パーセントでした。



●質問2 市民憲章について関心を持っていますか

「関心を持っている」と答えた人は44.4パーセントであり「関心を持っていない」と答えた人は16.1パーセントでした。
 しかし「どちらとも言えない」と答えた人が38.4パーセントもあることが注目されます。今後、全市民の英知と気運で富士市にふさわしい市民憲章をつくっていくためには、広報活動をさらに徹底するなどして、こうした層への働きかけが必要と思われます。
 男(47.4パーセント)は女(41.9パーセント)より「関心を持っている」と答えた人が多く、年代別では高齢ほど多くなっているのが特徴です。(60歳以上63.1パーセント→20代27.5パーセント)

- 図表あり -
( 図表説明 ) 図2



●質問3 富士市が市民憲章をつくることについてどう思いますか

 全体の74.2パーセントが「賛成」と答えており、「反対」と答えた人は、わずか2.4パーセントであったことが特徴です。
 また「どちらとも言えない」と答えた人は22.5パーセントでした。「賛成」は男(76.2パーセント)が女(73.1パーセント)より多く、年代別では60歳以上(78.6パーセント)が最も多く、職業別では商工経営(84.9パーセント)と専門管理職(84.8パーセント)でした。
 「賛成」の理由で最も多かったのは「よりよいまちづくりのため市民共通の行動目標として必要だと思う」が49.1パーセントであり、性別では女(50.3パーセント)が男(48.2パーセント)より多く、年代別では20代(54.2パーセント)が最も多かった。
 また「反対」と答えた人の中では、「つくっても効果が期待できそうもない」と「市民憲章は市民への押しつけになりかねない」が共に31.0パーセントでした。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 図3



●質問4 市民憲章をつくるとりくみについてどういう方法がよいですか

 「市と連携を図りつつ市民が主体となってとりくむことが望ましい」が64.7パーセントと最も多く、この傾向は、性別・年代別・職業別などの内訳をみてもほとんど変らないのが特徴です。しかし、その中でも、60歳以上が55.4パーセントとやや少なく、商工経営者が82.6パーセントと多いのが目につきます。
 「よくわからない」と答えた人は全体では11.9パーセントですが、女(15.6パーセント)の方が男(8.0パーセント)より多いのが特徴です。
 また「市が主体となってとりくめばよい」は10.4パーセントでした。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 図4



●質問5 市民懇話会にどんなことを期待しますか

 「形式的なものにならず慎重に内容のあるとりくみをしてほしい」が全体で61.2パーセントと最も多く、性別年代別・職業別・在住年数別のどれをみてもこの傾向は同様でした。その中では、専門管理職が73.9パーセントと突出しているのが目につきます。
 「広く市民の意見を求めつつ市民憲章の制定を積極的に推進してほしい」は22.5パーセントでした。
 内訳では男(23.3パーセント)が女(21.7パーセント)よりわずかに多く、年代別では50代(28.4パーセント)が最も多く、少ないのは30代(17.6パーセント)でした。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 図5



●質問6 市民憲章をつくるとしたら、どんなことを盛込んだらよいと思いますか

 全体では「福祉」が11.8パーセントと最も多く、以下図6の通りです。性別の特徴としては「福祉」が共に1位ですが比率は女(12.4パーセント)が男(11.2パーセント)よりやや多く、2位と3位が入れかわっていました。(男「自然」9.7パーセントで2位、女「環境美化」9.5パーセントで2位)。他の項目では、比率の男女差はほとんどありませんが、「平和」の項目だけ差がみられました。(女6.5パーセント→男4.7パーセント)
 職業別では「自然」を1位にあげたのは農林漁業と専門管理職です。また自由業は「教育」を1位にあげ、他は「福祉」が1位となっています。
 「文化」は全体では11位(5.1パーセント)ですが、自由業は4位にあげているのが注目されます。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 図6
( 図表説明 ) 図7
( 図表説明 ) 図8

これからのとりくみ

市民憲章を考える市民懇話会

座長 秋山登さん(富士社会教育推進会連合会長)
- 写真あり -

 この調査にご協力いただいた皆様に、まず厚くお礼を申しあげます。
 調査の結果から、予想以上の多くの方々が、市民憲章の制定を望んでいることがわかり、これからのとりくみに一段と自信を持つと共に、責任の重さを感じています。
 市民の努力によって発展を遂げつつある新「富士市」にふさわしい市民憲章を、市民の皆様と共につくっていこうと考えています。
 そのため、各種団体の代表等からなる「市民憲章を考える市民懇話会」が主体となり関係機関と連携を図りつつ、来年3月末には憲章案をまとめる予定です。また、今年末には全世帯アンケートを行いたいと思います。その際はご協力ください。

〈市民憲章に私もひとこと〉

望月照夫(もちづきてるお)さん 富士青年会議所(社会開発委員長)
- 写真あり -

 富士青年会議所は、市民憲章の実現にむけて、市民をまき込んだ取組みをして来ました。
 今回の世論調査の結果から、市民の関心が多いことがわかり大変うれしく思っています。しかし、20代の関心が薄いのが気になります。富士山にふさわしいまちづくりは、若い世代の参加と特色のある市民憲章で…。



芦沢宮子(あしざわみやこ)さん 主婦(南町)
- 写真あり -

 宝くじに当たるよりむずかしいという世論調査に抽出され、市民憲章に関心を持ちました。
 よりよいまちづくりのために必要だと思いますが、せっかくつくっても、みんなのものにならないと意味がないですね。
 誰もが身近に感じられるものにすると共に、制定後の活用を図ってほしいと思います。



渡部由理子(わたべゆりこ)さん(20歳) 労金職員(鈴川3丁目)
- 写真あり -

 このまちには、若者の心をとらえるものが少なくて残念だわ。音楽や観劇、レジャーや、ショッピング等は、他市へ行く人もいるのが現状ですものネ。
 市民憲章の制定は賛成ですがそのことを通して、若い人が魅力を感じるまちを期待します。
 これを機会に、もっと市政に関心を持っていこうと思います。



安部正幸(あべまさゆき)さん(25歳) 会社員(久沢)
- 写真あり -

 富士市は、工業都市として全国的にも名高く発展してきましたが、市民の郷土愛が欠けるんではないかなと思っています。
 市民憲章の制定によって、郷土を愛する気持ちが増すと共に他人のことを思いやる市民が増えればいいなあと願っています。私たち青年も、市民としての活動に参加していきます。
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