市民のみなさんから高い関心を寄せられている新病院建設の基本計画が、6月の市議会特別委員会で了承されました。市は、この基本計画をもとに、今後、建設にむけての本格的な作業に入ります。市民の命と健康を守り地域医療の向上に、より一層の期待が寄せられている新病院。その基本設計について概要をお知らせします。
●新しい病院を建設
市立中央病院は、昭和24年に富士町立病院として開設以来、地域の基幹病院として医療水準の向上につとめるとともに、多くの市民に利用されてきました。
開設以来、増改築を重ね、現在、伝染病棟を含め346床の病床と、11科の診療科があります。昨年1年間の利用者は、入院患者9万6,500人、外来患者20万3,000人。外来患者は1日平均で684人にもなります。
このように、多くの市民に利用され、親しまれている市立病院ですが、病棟など建物の老朽化、ベッド数の不足、さらには医療技術の向上などにより、市民のみなさんの医療需要に応じきれなくなっているのが現状です。これらの問題を解決し、総合病院としての機能を十分に発揮できる病院とするには−。多方面からの検討が加えられた結果、みなさんにすでにお知らせしてあるように、新しい場所へ新しい病院をつくることとなりました。
●基本は3つの柱
病院の建設場所は、依田原新田地先、田子浦臨港線西側の潤井川添いです。敷地面積は約2万6,000平方メートル。
新しい、病院の計画の基本として、次の3つに重点が置かれています。
まず第一に、病院スタッフと患者・見舞客など、病院を訪れるすべての人にとって、最も機能的で、かつ快適な環境であること。第二に、将来の変化に対応でき、しかも維持・管理に多大な負担をかけない建物であること。第三に、十分な耐震性をもたせると共に、防災と避難を重点的に考慮した設計であること。
●診療科目は17科
診療科目は、内科、循環器科、消化器内科、胃腸科、呼吸器科、小児科、外科、脳神経外科、整形外科、形成外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、放射線科、麻酔科の17科です。
病床数は500床（他に伝染病床20床）。建築面積は約8,000平方メートル。延床面積は、約2万5,000平方メートルになります。（他に伝染病棟が約500平方メートル。） 建物の構造は、鉄骨鉄筋コンクリ−ト造、一部鉄筋コンクリ−ト造７階建。建物の構成は、右上図のようになりますが、特に高層となる病棟は、東西の長さを極力短くして南側に寄せ、診療部門は、低層の北側としてあります。
●外来部門は1・2階に
次に、各部の主な点について紹介します。正面入口となるエントランスホールは、外来患者のきわめて多い総合病院の特殊性を考え、極力ゆとりをもたせることとしました。
外来部門は、1・2階のフロアーとなっていますが、エントランスホールのすぐ右隣に配置し、同一形式で吹抜を通して一体感をもたせる工夫をしています。1階は主として外科系の各科となり、2階は内科を中心としています。
救急部門は、独立した部門として1階南側に配し、24時間体制を敷いています。中央診療部門では、放射線部門が1階外来診療部の隣りに配置し、患者の移動が最もしやすい位置としています。手術部門は、3階に配置し、外来手術室を含め6室。
病棟は、1フロアー2看護単位とし、診療部門から切り離した3階から7階に構成。3階は外科系、4階は産婦人科病棟、小児科病棟と特殊病棟。5階以上は極力基本的な病棟パターンに統一し、各科配分の融通性をもたせています。
●今後、具体的な建設準備へ
この基本設計により、市は今後、具体的な建設準備にとりかかります。
病院建設事業は、事業規模や予算面などにおいても、市の大きな事業となります。市民のみなさんにいろいろとご迷惑をおかけすることにもなりますが、地域医療水準の向上のために果す総合病院の役割をご理解いただきご協力をお願いいたします。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 新病院建設地
( 図表説明 ) 新病院完成予想図
( 図表説明 ) 各階の構成
- 写真あり -
( 写真説明 ) 混雑する中央病院の待合室
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