河童(かっぱ)は水の神として、古くから日本各地で祀られ、親しまれてきた架空の動物です。しかし、もしかしたらほんとうにいたのかも知れませんヨ………。
ずっと昔、どこにも河童がいた頃の話しなんだかな……。
その頃の沼川(ぬまがわ)は、河童にとってことのほか住みごこちが良かったとみえて、何でも全部で49匹も住んでおったそうだ。特に滝川(たきがわ)が沼川に合流するあたりは、深い渕で渦巻くほどの水量があったし、堤にはヤブが繁っておって、昼でも暗く近寄る人もなかった。ま、そんなわけで河童はゆうゆうと住んでおったということだ。
ところで、人間にもいろんな性格を持った人がいるように、河童の中にもおとなしいヤツもおれば、そりゃもう、いたずら好きなのもいたもんだ。ある時なんざ、よりによって大名が道中してる時の馬の尻尾(おっぽ)にからんで、水底に引入れようとしたから、さあ大変だあな。馬は驚いて街道へ駆け出した。河童は馬の尻尾をつかんだままブラ下っておったから、街道の人間にたちまち捕えられてしまった。寄ってたかってぶたれた上、うまやの柱に一晩中しばり付けられ、次の朝になってやっと放されたそうだ。
それ以来、河童は人間の前に姿を見せなくなったということだ。
やれやれ………。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 現在の沼川
この欄で昔話しを語ってくれるお年寄りを探しています。あの人が知っていそうだという情報でも可。
ご連絡ください。市広報広聴課 電話番後う 51-0123 (内線 528)