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【広報ふじ昭和57年】養護老人ホーム 生きがいと創造の場

富士見台団地内に四月完成

 吉原・富士の老人ホームを統合した、新しい養護老人ホーム仮称富士市立「駿河荘」が、富士見台団地内に建設され、4月にオープンします。
 同ホームは、今までの老人ホームのイメージを一新し、「収容の場から生活の場へ」という考え方を基本に造られ、市内の公共施設では初めてのソーラーシステムを採用した、近代的な建物です。


●総事業費は約8億円

 新しい養護老人ホームは、「地域に密着し開放された施設」を大きなねらいとしています。
 建設場所は、富士見台団地内第1貯水池の北側、富士見台5丁目2番地の1。
 敷地面積は約6,500平方メートルで、建物は鉄筋コンクリート造り2階建て、一部4階建て、延べ床面積は、3,525平方メートルです。
 総事業費は、約8億円。
 内部の施設は、1階が事務室、会議室、調理室、特別静養室などです。
 2階は、食堂、集会・運動室、浴室、作業室などです。
 3階と4階は、2人用の居室が45室、個室が10室と、3階に医務室、4階にサンルームを設けてあります。
 この他に、生きがい対策として、趣味、娯楽、地域の人たちとの交流やサークル活動ができるようになっています。
 建物の特徴としては、ロの字型の構造で、日当りと居住性も十分に配慮してあります。また、省エネルギー対策として、ソーラーシステムを採用し、給湯の8割をまかないます。
 ホームの収容人員は100人。1人あたり35平方メートルのスペースで、ゆとりも十分にとってあります。浴室には、ねたきりのまま入浴できる特殊浴槽も設置します。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 4月にオープンする養護老人ホーム

- 図表あり -
( 図表説明 ) 養護老人ホーム位置図(富士見台団地内)
( 図表説明 ) 養護老人ホーム平面図 2階平面図
( 図表説明 ) 4階平面図



●地域に密着し開放された施設に

 以上、施設面の大まかな紹介と特徴をあげてみましたが、もう1つの特徴として、場所的なものをあげることができます。
 最初にも述べましたように、この施設は、地域に密着し開放された施設にする、ということです。
 施設を地域の中に造ることによって、お年寄と地域の人たちとの結びつき、施設と地域の人たちとの結びつきをねらいとし、開かれた施設にするということです。
 具体的には、会議室や運動場の開放、地域の1人暮らしのお年寄に対して給食サービス、地域のお年寄や子ども会などとの交流も図っていきます。
 このように、新しい養護老人ホームは、「収容の場から生活を中心とした場へ」の転換が大きく図られました。
 富士老人ホームは昭和29年に、吉原老人ホームは昭和33年に建設され、老朽化が著しく、特に、吉原老人ホームは、大気汚染などの影響を受けやすい立地条件にありました。
 現在、吉原老人ホームに45人、富士老人ホームに48人のお年寄が住んでいますが、4月から新しいホームで生活することになります。

収容の場から生活の場へ

 養護老人ホーム仮称「駿河荘」の開設後のあり方として、宮下清福祉部長は次のように語っています。
「地域の人たちとできるだけ交流を深め、地域に密着した老人ホームにしたい。さらに、ボランティア活動の拠点にもなれば……と思います。
 とにかく明るい施設にしたい。
 また、施設のお年寄自身が自立を高めるには、積極的に地域へ出ていったり、地域の人たちと一緒にゲート・ボールや菜園づくりを行うのも良い方法だと思います。」
 このように、同ホームは今までの老人ホームのイメージを一新したものといえます。富士市にかぎらず、今までの老人ホームは、収容型で居室以外に余分なスペースがなく、地域との交流もほとんどありませんでした。新しいホームは、お年寄が住むのにふさわしい環境と、自らが生きがいを作れるように配慮した施設です。
 しかし、同ホームがこれらの機能を十分に果すには、地域の人たちの理解と協力が最も大切です。



新しい養護老人ホームについての感想を、富士・吉原老人ホームの皆さんに聞いてみました。

・安部さん 72歳
 クラブ活動のようなものができるそうなので、地域の人たちと一緒にできたら楽しいです。

・遠藤さん 76歳
 今までのところを離れるのは多少不安もあり、さびしい気がします。
 その反面、新しいところへ入るという夢もあります。

・天野さん 79歳
 広い運動場もあるようなので、これからは、ゲート・ボールが十分にできると思います。

・竹内さん 71歳
 新しい施設なので、特に気をつけてきれいに使わなければ……。
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