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【広報ふじ昭和56年】ふるさとの昔話

わがまちの紙のルーツ その4

■明治から昭和へ

 明治28年以降、地元資本による機械製紙工場が吉原地区を中心に設立されていきました。
 はじめワラ・紙クズを原料とした半紙まがいの紙を抄(す)いていましたが、互いに技術を競(きそ)いあい外国製品にも劣(おと)らない紙をつくるようになっていきました。
 大正3年第一次世界大戦がはじまると、日本の紙業界は空前の好景気になって、いっそう機械による抄和(しょうわ)紙工場が続出しました。
 大正2年から9年までの8年間に県東部に誕生した製紙会社は30社でそのうち17社が吉原付近の会社でした。
 大正末から昭和初期にかけて、国内の需要(じゅよう)と輸出(ゆしゅつ)が増進し、製紙小工場の設立と、技術の向上はいっそうすすみました。大昭和製紙を創設した斎藤知一郎氏が製紙の経営に第1歩をふみ出したのも、この頃でした。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 現在の大製紙工場


■ミニ・メモ 紙のすかしはどうしてつくるか

 紙を光にすかして見ると、人のかたちや景色など白くまたは黒くすけてみえるのが「すかし」です。
 これは抄(す)く綱に厚紙や針金などで型をつけておきます。抄く時、原料は網の上に平にのりますから、つけておいた型のところだけ原料がうすくのり、かわかすと白くすけて見えるのです。黒いのは、網にくぼみをつけておくのでその反対になります。
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