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【広報ふじ昭和56年】ふるさとの昔話

わがまちの紙のルーツ その3

機械による製紙のはじまり

 江戸中頃から人気のあった「駿河もの」と呼ばれた半紙は富士郡の農家が、農閑期を利用した家内工業によって生産していました。ところが、明治20年以降芦川万次郎による製紙伝習所の設立をきっかけに、機械による製紙が発達していったのです。

製紙を生んだ田宿川

 今泉の芦川万次郎は明治20年に手漉(てすき)和紙の工場を建て改良半紙の生産をはじめました。その後、田宿川流域に次々と手漉(てすき)工場が誕生して、製紙業発達の素地がつくられていったのです。
 一方富士山麓(さんろく)の開墾(かいこん)が進み、大量のみつまたが生産されるようになったことから、和紙の増産がいっそうすすみました。
 明治21年芦川万次郎は田宿川に沿った今の渡辺医院のところに製紙伝習所を設立して、技術者の養成に努力しました。
 明治23年には富士製紙第1工場が入山瀬にできました。中央の大資本を導入した本格的な機械による製紙工場でした。このことは、地元資本家の製紙業への関心を深めると共に製紙技術を習得した労働力によってこの地方の製紙業の振興(しんこう)に大きく寄与(きよ)する結果となりました。

芦川万次郎とはこんな人 孫の芦川忠正さん (54歳) 天間南

 昔の田宿川は、今とはくらべものにならないほど豊富できれいな水が流れていました。祖父万次郎は、その水に着目してよい紙をつくろうと製紙伝習所を造ったのです。
 とにかく物を考えるのが好きで、人のためにつくした人でした。でも金もうけの方はうまくなかったようで、これだけはどうも代々続いているようです。ハッハ…。

ミニ・メモ 紙をつくるのに

《水がどれくらい必要か》
 紙を1トン作るのに水150トンから250トン必要です。板紙や厚紙にくらべ、うすい上質紙ほど水を必要とします。市内では1日に170万トンの水が製紙に使われています。
《木がどれくらい必要か》
 紙を1トン作るのにみどりの木(直径16センチメートル、高さ8メートル)20本が必要です。家庭で読み終わった新聞紙1年分(50キログラム)でみどりの木1本を守ることができます。
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