下水道の普及度は、その都市の文化のバロメーターといわれます。快適な都市生活をする上で、公共下水道はなくてはならないもの。
市は、西部浄化センターに次いで、このほど東部地区に下水処理場を建設することになり、今年度から具体的に実施計画と用地取得にとりかかることになりました。
■なぜ?施設が必要か
炊事、洗面、洗たく、風呂、トイレ−毎日の生活に1日たりとも欠かせない水。
私たちは毎日、いろいろな用途に水を使いますが、その使った水の後始末をするのが下水道です。
下水道は、各家庭から出る汚水を集めて処理し、きれいな水にして河川にもどします。
したがって、河川などの水質汚濁を防ぎ、きれいな川、きれいな海をとりもどす上からも大切な施設です。
では、下水道が整備されると、具体的にどのように変わるのでしょう。
その役割は…
1.家庭などから出る汚水を衛生的に処理するため、カやハエ、悪臭の発生を防ぎます。
2.悪臭の出る、くみ取り便所から開放されて、浄化槽のいらない衛生的な水洗便所が使えます。
3.汚水が、直接河川に流れこむことがなくなりますから、河川などの水質汚濁を防ぎ、きれいな川や海になります。
4.大雨による雨水をすみやかに排除し、家屋への浸水を防ぎます。
下水道の施設は大きく分けると、下水道管・ポンプ場・処理場の3つに分けられます。
下水道管は、生活汚水や雨水を集めて処理場に送る役目をします。
ポンプ場は、下水管で送られてくる汚水や雨水を途中でくみあげて処理場に送ります。
処理場は、下水管で送られてきた汚水をきれいにして河川に戻します。
■現在3つの処理場で
現在、市内には吉原下水処理場と富士見台下水処理場、西部浄化センターの3つがあります。
これらの処理区域は、吉原処理場が吉原市街地を中心にその周辺、富士見台処理場が富士見台団地全域、西部浄化センターが富士・田子浦・岩松・鷹岡地区。
吉原処理区は、昭和40年に処理を開始、現在、5,300世帯.18,000人が使用し、処理場の処理能力はほぼ限界に近い状態です。
富士見台処理区は、昭和49年に処理を開始、1,700世帯.6,000人が利用しています。処理人口は11,000人です。
富士処理区は、昭和48年公共下水道の認可と同時に、西部浄化センターの建設を始め、54年10月に完成、55年4月から処理を開始しました。
現在、富士・田子浦地区の一部約10,000人が利用していますが、下水管の布設など、整備を急ピッチですすめていますので、さらに処理区域が拡大されていきます。
■こんどは東部地区に処理場を
次に、市の東部地区を対象とした仮称東部浄化センターですが計画によると、赤渕川と沼川が合流する富士岡地区の遊休地約12.4ヘクタールに建設。処理人口は、将来の人口増を見込んで125,000人(現在は95,000人)。1日175,700トンの生活汚水と工場排水を処理し、沼川に放流しようというもので、総事業費890億6,000万円。
この計画は、20年先の将来を目標につくられており、現在運転処理している吉原処理区と富士見台処理区も、将来は、ここに受け入れて処理することになっています。
当面、第一期計画として、昭和60年を目標に210億円をかけて終末処理場を建設し、緊急に整備を必要とする地区と、処理場建設予定地の周辺地区740ヘクタール、人口にして約4万人、汚水量1日44,000トンの汚水処理をする計画です。
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( 写真説明 ) 西部浄化センター