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【広報ふじ昭和56年】’81 国際障害者スタート 「完全参加と平等」へ

 「完全参加と平等」をテーマに、国際障害者年がスタートした。
 すべての人間は、生まれながらにして自由であり、人間として尊ばれ、諸権利を有し、平等である−といわれているように、障害のある人も、障害のない人も同じ人間。すべて平等でなければならない。国際障害者年は、そんな世の中を、今から10年がかりでつくりあげていこうという年なのです。ここに、障害者年のねらいと、障害を持ちながら一生懸命に頑張っている二人の青年を紹介します。

障害者に開かれた社会を

 1976年の第31回国連総会で、1981年を「国際障害者年」とすることが決議されました。
 国際障害者年は、障害者の「完全参加と平等」をテーマとし、その実現を目指して、すべての国連加盟国が行動をおこす年とされています。
 テーマの一つである「完全参加」とは、障害者が社会生活と社会の発展に参加、貢献するだけでなく、政策決定段階にも参加することと理解されています。
 障害者年については、単に障害者のために何かをする年ではなく、障害者が広く積極的に社会に参加、貢献することを大きな目的としている。
 もう一つの「平等」は、障害者が健常者と同様の生活をすることを意味し、その国の社会及び経済の発展による利益が、すべての人に平等に分配されることです。
 現在、世界には4億5,000万人の障害者がいるといわれています。
 障害ということは、身体的障害だけでなく感覚機能障害、精神障害なども含め、原因も例えば、家庭内の事故に始まり、交通事故、戦傷、病気等多岐にわたっています。
 特に、戦争等の犠牲者である障害者も多く、国際障害者年は、多くの国の参加と協力を求め、世界平和のために役立てようとするものです。


市も障害者のために

 市は、昭和54年度に厚生省から「障害者福祉都市」の指定を受け、現在障害者が健康で幸せな生活ができるよう、公共施設の改善や福祉施設の整備などの事業に取組んでいます。
 更にこれらの事業を継続実施するとともに、国際障害者年を記念した行事や事業を行い、障害者福祉の増進をすすめていきます。
 記念行事や事業については、障害者福祉都市推進協議会と福祉関係団体で組織した、実行委員会が中心となって企画、検討していきます。

白い杖の人にご協力下さい

 まちや建物の構造が改善され、生活環境が整備されても、それだけで身体の不自由な人が自由に行動できるものではありません。
 このような改善とあわせて、市民みなさんの温かい協力が必要です。
 盲人のために次のことにご協力ください。
・歩道や点ブロックの上に自転車や商品を置かないでください。
・ポールや日除けの位置と高さにも気を配ってください。
・歩道を走りぬける自転車は恐怖です。安全運転をお願いします。
・プラットホームや工事現場で危険なときは、動かぬよう大きな声で指示してください。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 盲人用点ブロック

障害をのりこえて青春を生きる

絵画と詩の創作に励む野沢・四條さん

 幼いころ脳性小児マヒにかかり、不自由な身体にもめげず、絵画と詩の創作に取り組んでいる若者がいる。
 中島に住む野沢秀典(26歳)さんと横別の四條由紀子さん(19歳)さんの二人。
 国際障害者年を記念して野沢秀典個展が、1月12日から5日間、市役所2階の市民ギャラリーで開かれた。
 野沢さんは、4歳のとき脳性小児マヒにかかって身体が不自由となり、17歳のときに母親から絵筆を持つようにすすめられました。以来、寝食を忘れて絵を描くようになり、昭和50年二科展に出品した「楽園」が見事に入選。
 昨年11月に東京で開かれた日象展でも、厚生大臣賞を受賞。これらの作品は、関係者の間から高く評価されています。
 「絵を描くことが私の青春であり近所の子どもたちと一緒に絵を描くことが夢です」と野沢さんは話す。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 個展会場で激励を受ける野沢さん

 四條由紀子さんは、生後間もなく脳性マヒにかり、両手が思うように動かなくなる重度の障害を負う。
 昭和47年から訪問指導講師について学習指導を受け、豊かな情操が育まれていきました。
 由紀子さんは、現在、文通している吉原高校JRCの生徒さんたちが月1度、家庭訪門してくれるのが、何よりの楽しみという。
 自分の足でタイプを打ち、編集した詩集「おりずるのうた」は、由紀子さんの希望と夢を素直に表現した詩集であり、多くの人を感動させています。



−国際障害者のシンボルマーク−

国際障害者年のシンボルマークは二人の人間が連帯して手を取り合い、平等の立場から互いに支え合っている姿を表現している。

- 図表あり -

特集おりづるのうたから

四條由紀子さん 横割
- 写真あり -

〈特集おりづるのうたから〉

天使になりたい

わたしは 天使になりたい
だって 天使は羽根があるでしょ
すきなところへ飛んでいけるもの
一番はじめ お友達のところへいくよ
どんな顔するかな きっとびっくりするね
それから東京へ飛んでいくよ
テレビ局も動物園もみたいし まだ ほかにも見たいものがいっばい
天使になれたらいいなあ



ねがいごと

おりづるを折ると ねがいごとがかなうと聞いたことがあるが
どんなねがいごとでも かなうのだろうか
わたしの 死んだおとうさんにあえるかな
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