◇示談のすすめかた
りつ子
今回は示談のすすめかたについて、ポイントを教えてほしいわ。
のり夫
交通事故の賠償問題はほとんど、当事者間の話し合いによる示談で解決されているんだ。とにかく、いったん示談にすると、特別の事情がない限り、あとで勝手に変更や取消しはできないんだよ。
りつ子
それではいっそう慎重に示談するよう注意しなくてはいけないのね……。
◇感情的にならず慎重に
のり夫
まず示談の心がまえとしては、感情的にならず、あせらずに慎重にすすめることか大切だね。示談書に印鑑を押す場合は、十分検討し条件をよく納得してからにすることだね。お金がなくて困るようなときには、自賠責保険の仮渡金請求の手続きをとる方法もあるのだよ。
りつ子
………なるほどねェ。
のり夫
次はタイミングだね。あまり日がたつと、相手の態度が次第に悪くなることがよくあるんだよ。
だから、何とか折り合いのつく線がでた段階がきたら一挙に話しをまとめたほうが無難といえるだろうね。
りつ子
そのためには、あらかじめ市民相談室などで専門家の話しを聞いておいたほうかよいかしら…。
のり夫
うん。それはいい方法だね。事前に一応の賠償基準などを知った上で、譲るべき最低線を決めておいてから交渉すると早く示談ができると思うよ。
◇代理の場合は委任状を
りつ子
代理の人の場合はどうしたらよいの。
のり夫
代理人と称する人が出てきたら、正式の委任を受けているかどうか委任状を確認したほうがよいだろうね。次々にいろんな人が来て、いったい誰と話しあったらよいのかわからないなんてこともあるからね。
りつ子
わかったワ。
のり夫
次に自分の請求内容に自信をもち、その正当さを裏づける証拠として、具体的な資料をそろえておくことが必要だね。
りつ子
たとえばどんな資料なの。
のり夫
それは事故証明書だとか、診断書、領収書などだよ。
のり夫
さらに示談がまとまったら、その内容を確実に履行させるためにも、示談書をとっておくことが必要だね。