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【広報ふじ昭和55年】粉石けん 下水道処理に好結果

 合成洗剤と粉石けんでは、下水処理に及ぼす影響がどのように違うのか。富士見台地区で行われたテストの中間結果がまとまりました。
 富士見台下水処理場には、近年スカムと呼ばれる泡状のカスが発生し処理機能に大きな影響をもたらしていました。その原因は、石油系の合成洗剤ではないかと考えられ、市は、富士見台団地1,661世帯5,550人に対して9月から12月までの4か月間、植物性粉石けんを無料配布し、これで洗たくをしてもらい、スカムを取除くテストを行っています。

ずっと良くなった水の汚れ

テストの結果は、中間報告の段階で早くも粉石けんの優位性が実証されました。
 調査項目は、水質汚濁や悪臭などに関係の深いBOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)SS(浮遊物質)など23種類におよんでいます。
 下水道処理施設への流入水は、テスト前後8月と9月では使用量が違うので、単純に比較はできませんが、水の汚れの目安となるBODは流入水時1リットル当り199.0mgが181.0mgに、放流水時には4.2mgが2.1mgと2分の1に好転しました。
 このほかCODも減少し、放流時の透明度も48センチから50センチと良くなりました。
 また流入下水のリンは44〜66パーセント減り、陰イオン界面活性剤については62パーセント減りました。これは地域住民が協力し、積極的に粉石けんを使用したことの現われでもあります。

浄化効率も上がる

 下水道課計画担当主査の渡辺佐一郎さんは「とにかく浄化効率がずっとよくなりました。下水処理にとって必要な微生物が2.3倍くらいに増え、反対にスカムを発生させる悪い微生物か減ってきたのです。さらにリンも減っていることから河川への影響も良い結果となるでしょう。
 このテストから、人体によくないと言われているものは、やはり微生物にもよくないのだなあということを感じました。
 洗剤だけでなく、トイレ用の色々な家庭用薬剤が市販されていますが用途をよく考えて使ってほしいと思いますね」と話していました。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 市下水道課 渡辺佐一郎さん(33歳)
( 写真説明 ) スカムの汚れが目立った8月頃
( 写真説明 ) すっかりきれいになった最近の処理場

便利さだけでなく…

植田勝代さん(38歳)富士見台2丁目
- 写真あり -

 「家ではずっと合成洗剤を使っていたので、実のところ粉石けんは、ちょっと使いにくい面もあります。でも思いのほかよくおちますねェ。
 下水処理場の結果を聞きましたがよかったですね。
 私の知り合いで粉石けんに切り換えたら手の荒れがなくなったという人がいます。
 便利さだけでなく、特に主婦は家族の健康のことを第1に考えなくてはと思います」
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