りつ子
実は、市民から離婚に関して聞かせてほしいという声があるのよ。私も勉強のために知っておきたいわ。
のり夫
離婚は近ごろ全国的に増えていて、富士市でもこの1年間に357件の離婚届が出されたんだよ。婚姻届は2,129件だから数字の上では6組に1組の夫婦が離婚しているということになるね。
市民相談室にもこうした相談が増えているんだ。最近の特徴としては、子育てが一段落して外に働きに出た主婦のケースが多いようだね。それと、どうも男と女のことが優先して、子供の父であり母であるということが軽視されがちな傾向なんだが、困ったことだね。
話しあいの離婚と裁判による離婚
のり夫
離婚には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、判決離婚の4種類があって、離婚届を出す際に、どの方法によったかでわけられるんだよ。
協議離婚の場合は、夫も妻も別れる意思があることが前提なんだ。その上で届を出せば成立する。こんなに簡単に離婚を認めている国は外国でも例が少なく、離婚の多いことで有名なアメリカでさえも、離婚はすべて裁判所の手をわずらわしているんだよ。
りつ子
へえー。そうだったの。
のり夫
夫の一方的な意志によって離婚することができた昔とは違って、裁判によらないかぎり、妻の同意なしには離婚できないということだね。仮にも、嫁をイビリ出そうと企（くわだ）てる親があったり、夫である息子をたきつけてそんなことをする親があったら、嫁たるもの断固としてがんばらなければならないね。
りつ子
夫婦の間でどうしても別れ話しがまとまらないときはどうしたらよいの。
のり夫
その場合は、裁判所へ訴え出ることになるのだが、夫婦が法廷でいがみあうことは、あまりこのましいことではないし、裁判という最後の手段をとる前に、何らかの解決策を見つけよう、というのが家庭裁判所の調停（ちょうてい）の制度なんだ。調停は、絶対に秘密が守られるから、遠慮なく話しあうことが大切だ。
調停が成立すれば、判決と同じ効力が生じるから、10日以内に離婚届を出す。これが調停離婚だ。
りつ子
調停の費用はどのくらいかかるの。
のり夫
手数料として800円で済むんだよ。場合により調停の解決案として、家庭裁判所が審判することがある。これが審判による離婚なんだ。
また裁判によって離婚の判決を下してもらう場合は配偶者に、不貞行為があったり、3年以上行方不明のときなど、よくよくの事情がない限り認められないんだよ。
りつ子
離婚には、慰謝料や財産分与のこと、それに子供の養育の問題が伴うんでしょ。
のり夫
そのことは次回で話そう。
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