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【広報ふじ昭和55年】夏なら燃料費は0(ゼロ)

太陽熱温水器補助金制度スタート

 “お風呂が何よりのごちそう”という風呂好きの私たち。でも、最近は燃料の石油をはじめ電気、ガス代の値上がりで、毎日の入浴もままならないものになってきました。
 こうした中で改めて見直されてきたものに太陽熱を利用した温水器があります。
 市は省エネルギー、代替エネルギーを進めるために県下で初めて、太陽熱温水器を設置する方に補助金を助成する太陽熱温水器補助金制度を7月からスタートさせました。
 そこで、今回は太陽熱温水器とこの補助金制度についてお知らせします。


■省エネ対策として

 もともと、この太陽熱温水器は昭和20年代に、農作業の後の風呂を沸かす手間を少しでも減らすという農家の生活改善の中で生れた製品でした。
 その後40年ごろ、農家を中心として、あちこちの屋根に温水器が目立つ時代がありました。
 しかし、機能・品質面の悪さや、ガス瞬間湯沸器、電気温水器などの普及により次第に、このブームも下火になりました。
 再び、太陽熱温水器ブームに火がついたのは48年の石油ショック後で、昨年からの国の省エネルギーのかけ声は、このブームにさらに拍車をかけています。


■初めは開放型から

 初期の温水器は「開放型」といわれるもので、木箱の内側にトタンや銅板をはり、熱の吸収を高めるために黒く塗装をし、ガラスをはめた簡単なものでした。昭和28年ごろになるとビニールやポリエチレンを袋状にした「膜型」が登場。そして今から15年程前の40年ごろに「くみ置型」と「自然循環型」が開発されました。
 「くみ置型」は金属またはプラスチックでつくられた筒状のものに水が入っていて、この中の水を太陽熱で温めるもので、集熱部と貯湯部が一体となっています。
 「自然循環型」は貯湯部を集熱部の上に取付け、温まった水は上に、冷めたい水は下へ、というお湯と水との温度の比重差を利用した熱サイホン方式を用い、水を循環させて温めるものです。
■保温力を高める工夫

 現在、家庭に普及している温水器は「くみ置型」と「自然循環型」が主流ですが、改善される以前のものに比べ品質、機能面で非常に差があります。
 次にどんなところが改善されているかと各メーカーに問合せてみたところ、腐食しないように外装箱には強化プラスチックを使用。屋根のスペースに合わせて集熱器は縦・横どちらでも据付可能。反射板を採用し陽ざしの弱い冬場に設計基準をおいた。このほか、さび防止に特殊ステンレスを、保温性を高めるために発泡スチロールとアルミ箔を、カバーに強度と耐久性に富んだ強化ガラスを使用するなど、いろいろな工夫がなされているそうです。

■年間約3万円の節約

●太陽熱温水器を使うと、どのくらいの節約ができるのでしょう。
 平均して、現在市販されている温水器は年間約130万キロカロリーの熱を集め水を温めています。この熱量を灯油に換算すると225リットル、187リットル缶で約13缶分に当ります。金額にすると約2万円、LPガスだと約3万5,000円分になります。つまり、LPガスで風呂を沸している家庭で、この温水器を利用すれば、年間.3万5,000円が節約できることになります。
 この温水器、夏はほとんど水でうめなければ入れないほどの高温になるので、燃料費はゼロ。冬はあまり水温が上がらないため追いだきが必要ですが、水から沸すより時間が短いので得ということになります。

●太陽熱温水器を設置するのに、いくらぐらいかかるのでしょうか。
 温水器自体の価格は、くみ置型で7万円から9万円、自然循環型が13万円から20万円ぐらいです。この温水器はエアコンと同じように取付け工事費がかかります。工事費は、くみ置型、自然循環型などの型式や設置場所で異なり、一概にいくらとはいえませんが、だいたい3万円から7万円といわれています。
 くみ置型と自然循環型の値段の差は、循環型のほうが温度は数℃高くなり、日没後でもあまり温度が下がらないという点からでています。

実際に見て選びましょう

 太陽熱温水器の展示会が7月11日から3日間、中央公園で開かれました。この展示会での感想を永田晴美さん(今泉9丁目)、渡辺久美子さん(伝法)、柴田薫さん(芝川町)にたずねてみました。
「メーカーによって、すごくあついのや、ぬるいのがあったので、ちょっと驚きました」:渡辺「うちでも市の補助金制度を利用して温水器にしようと見に来たのですが、値段に幅があるのでどのくらいのものがいいのか迷ってしまいます」:永田「富士市はいい制度を始めましたね。私は芝川町ですので、うらやましいです。でも水を入れると200キロ以上になるという話ですが、屋根は痛まないでしょうかね」:柴田

太陽熱温水器補助金制度のあらまし

●有効期間は昭和55年7月1日から昭和58年3月31日までです。
●対象者は市内に1年以上住み、市税を滞納していない方、そして年間の合計所得金額が1,000万円以下の方。
●補助金の額は設置費の15パーセントで、3万円が限度です。例えば設置費が15万円ならば2万2,500円が補助金頚です。
●申込みは、市民生活課にある申請書に温水器設置工事見積書1通と給水装置申込み書(富士市指定水道工事店で作成)1通を添えて市民生活課に提出してください。
●補助金の交付は、工事が完了した後、市民生活課にある完了届と領収証の写しを提出していただき、適切と認められた場合、交付されます。
●この制度のもう一つの条件は、給水工事は市指定水道工事店が必ず行うことです。これは温水器を水道管に直結して使用するため、優秀な技術を持つ工事者に行わせ、トラブルを防ぐためです。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 温水器のことなら、なんでも気軽におたずねください。電話でも!(市民生活課)

■選ぶ目安にBLマーク

 温水器のトラブル防止のため、建設省では集熱力や耐久性などの基準を決めたJIS(日本工業規格)を基にBL(ベターリビング)マーク制度を取入れています。BLマークは優良住宅部品の認定表示で、認定されている品物には、こわれたり、使用者がケガをしたりした場合の賠償保険をからませるなど、アフターサービスにも万全が期されています。
 なお、住宅金融公庫では個人住宅の建設にBL(ベターリビング)認定された太陽熱温水器を設置する場合通常の貸付金限度額に10万円加算される特例があります。
 温水器を選ぶ時、このBLマークを目安にするのもよいでしょう。
 なお、BLマーク製品の温水器についての問合せは市民生活課におたずねください。
- 図表あり -
( 図表説明 ) BLマーク
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