【広報ふじ昭和55年】ふるさとの昔話
死がいが消える
永明寺の正門
原田にある永明(ようめい)寺の正門は、薬医(やくい)門といわれる立派な門です。門の手前の通路は白壁(しらかべ)の塀(へい)で、道路に立って寺を見ると、まるで御殿(ごてん)か城の入口のようです。
むかし、お葬(そう)式の行列が正面から入って、この正門をくぐろうとすると急にお棺(かん)が軽くなりました。かついでいた人々が、お棺を降してふたをあけてみて、びっくり。どこへ、いったのか死がいが見えません。死がいがなければ葬式はできないと、人々が家まで引き返えそうとして、門前の道までくると、またお棺が重くなったのです。開けてみると死がいが元にもどっています。和尚(おしょう)さんも不思議なことがあるものだと思い、お経を読みながら門を入りました。今度は死がいは消えませんでした。
こんなことがその後、幾度も続きましたが、どういう訳なのか、さっぱり和尚さんにも分かりませんでした。それから後、お葬式の行列は正門を通らなくなりました。
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( 写真説明 ) 死がいが消える?永明寺(ようめいじ)の正門
本当は、こういうことじゃないかな
永明寺38世住職 加藤義孝さん
- 写真あり -
この門ができたのが270年ぐらい前ですから、この話が本当かどうかは分かりません。しかし、私が思うにはこの門は正門のほかに三門、大名門ともよばれ、修業僧や身分の高い人が通る門だったんですよ。死んだ人のためには裏(り)門があるので、たぶん、この話は、この正門から、お葬式の行列を入れなくするためのものだったんじゃないかな。そして、むかし、この辺は雑木林で薄暗く、気味が悪かったからね。
まだ、この寺には「いぼとり不動尊」や「鎧(よろい)ヶ渕の主」などの伝説のほかに、すばらしい庭園もあるんですよ。
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( 図表説明 ) 永明寺 北滝川1167 電話52-1899
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