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【広報ふじ昭和55年】見ばえが資源を食べる

厚化粧の包装容器

 「石油不足」、「灯油の値上げ」問題が毎日、テレビ・新聞で報道され、みなさんの家庭では、今“省資源・省エネルギー”が話題になっていることと思います。
 こうした中で、デパートやスーパーなどで使われている食料品包装用のプラスチック皿(トレイ)を追放しよう……と数年前から富士市をはじめ、富士宮市、沼津市など県内27の消費者団体が、この追放運動を積極的にすすめています。
 これらの消費者団体で結成された「県プラスチックトレイ追放運動協議会」は、今後、大々的にこのトレイ全廃の猛運動をつづけていくことにしています。


■トレイ追放運動

 プラスチックトレイは、主に肉・魚・野菜などのフイルム包装の受け皿として、デパート、スーパーなどの食料品店で多く使われています。
 このプラスチックトレイは、石油製品であり、包装代やゴミ処理のための費用がかかるなどの理由で、数年前から県内の消費者団体が追放を呼びかけてきました。
 そして、ようやく全県運動としてプラスチックトレイ追放がクローズアップされてきました。
 この運動の基本的な姿勢として、
・スーパーのトレイ包装や二重包装をやめさせる。
・スーパーとの話し合いの上で、どうしてもトレイ包装のやめられないものは、紙トレイなど害のない材質にかえてもらう。
・全県下に運動を広めて、できれば兵庫県のように条例をつくってもらう。
の3点をあげ、消費者、スーパー、市の三者が一つになって力をあわせトレイ全廃運動を積極的に行うことになっています。


■世界で第2位 プラスチックゴミ

 中でもプラスチックゴミはアメリカに次いで世界第2位の生産量を誇るわが国では、使い捨て容器として使用も多く、埋立てゴミの80パーセントを占めています。
 また、燃せば有害ガスを発生するものや高熱を発してゴミ焼却炉を痛めるなどマイナス面が多く、埋立てに頼るしかない現状です。しかもプラスチックなどのため埋立てても腐ることがなく処理困難物で、まったくヤッカイ物とされています。


■石油は99.7パーセント輸入

 私たちは、毎日炊事、洗濯、あかりをつける、テレビを見る、ストーブで暖をとる……。どれをとってもすべて電力、石油、ガスというエネルギーなしでは、一日も過すことはできません。この電気の約7割りは石油による火力発電によるもので、ガスも約半分は石油が原料です。
 このように、わが国のエネルギーの74パーセントは石油でまかなわれています。しかも、その石油の99.7パーセントは外国から買っているのです。これから1980年代、そして21世紀に向けて私たちが文化的で豊かな生活を送っていく上で大切なことは、“ムダ使いよりも心づかい”の「省エネ」の精神です。
 みなさんの家庭でも今年の実践目標の一つに「省エネルギー」を加えてください。そして毎日、使っている身近なエネルギーを節約しましょう。
■スーパーバックには生ゴミを入れない

 現在、ゴミ全体の40パーセント強が台所の生ゴミ、紙袋のころは、よく水を切って出さないと底が破れてしまうので注意しながら出したものです。
 スーパーバックは、耐水性があるため、なにげなく水分たっぷりの生ゴミをそのままバックにつめて出してしまいがちです。
 特にスイカの皮やトマト、トウモロコシのしんなど多量に出される夏場には、ゴミが燃えず、助燃剤として大量の石油(1リットル60円位)が使われ、これだけでも年間ザット840万円の石油代がかかります。本格的な省エネルギー時代に何とも、もったない話です。


■年間8,200万枚の山 1世帯1日4枚平均で

 このプラスチックトレイは、一日一家庭で4〜5枚を捨てています。
 仮に一家庭で4枚として1か月で120枚、1年間では1,440枚、全世帯では、なんと8,208万枚にものぼります。これをトレイの原価5円として計算してみると一家庭で年間7,200円を捨てている勘定になります。
 また、市全体では世帯数が約5万7,000として一年間に約4億1,000万円というぼう大なお金をただ灰にしているわけです。まったくもったない話です。
 「でも、ただでもらえるから…」なんて平気で考えていたら、それは大まちがい、このツケは、すべて商品に上のせされ消費者にまわってくるのです。プラスチックトレイやスーパーバックなどは、省エネ節約のためにも、使わないようにしましょう。


■プラスチックから紙トレイへ

 市内入山瀬の三起鉄工所などでは県製紙工業試験場と技術協力しながら紙トレイ(アラジン・パルプモールドトレイ)製造設備の開発をすすめています。
 この紙トレイの特徴は
1.プラスチックトレイよりも安い。
2.原料は故紙
3.使用後の回収、再生、又は焼却が容易である
4.自動包装機に耐えられる
5.中小企業でも楽に手に入る
ことなどがあげられています。
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( 写真説明 ) 一週間でこんなにたまります

お聞きします

−プラスチックトレイ追放運動を進めている、市消費者運動連絡会代表の石丸恵美子さん(市内広見本町)に聞いてみました。
 現在、プラスチックトレイ追放運動を県内の消費者団体が進めています。この追放運動には、2つの大きなねらいがあります。
 まず第1に、包装の適正化をはかること、第2に有害性の問題です。
 私たち消費者としては、商品に対して不必要な包装をしてもらいたくないのです。
 また、トレイやビニール袋を処理するとき、有毒ガスや高熱を発生しますので、大変こまります。
 消費者としても考え直さなければいけないことがあると思います。
 たとえば、買い物にいく時に手ぶらでいかず買い物袋をもっていくように心がけることなど。
 この追放運動は、消費者・行政・業者が一体となって考えていかなければ解決しない問題だと思います。
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