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【広報ふじ昭和55年】ことしの市政運営 80年代の都市づくりにむけて

「物」から「心」の豊かさへ

「物」から「心」の豊かさへ
 市議会3月定例会は、3月5日招集されました。
 主な議案は新年度各会計予算など、53議案が審議され、いずれも原案どおり可決されました。
 また、昭和55年度の施政方針は、3月6日の本会議において、渡辺市長から「80年代における都市づくりの基本的な考え方」や新年度の市政運営のとりくみ、また新総合計画を中心とした重点施策のあらましがのべられました。
 この中で特に、21世紀は「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へ変わり、行政の進むべき方向としては“生活の質”を重視し、調和のとれた社会をつくりあげるため「生産と生活が調和する産業文化都市」の実現に向って積極的に諸事業を進めていくことを強調しました。

◇市民本位の市政に最善の努力を

 市長は施政方針の中で、新しい時代に対応する多様な政策を展開するため3つの市政運営のポイントを定めました。その第1は「行政への文化の香りづけとその推進」、第2は「自主と連帯によるふれあいのある地域社会づくり」、第3は「行政情報の積極的提供と行政情報システムの確立をはかる」という3本の柱でこれらの内容にふれると

■行政への文化の香りづけとその推進
 市民の真の幸せとは、市民ひとりひとりの生きがいを如何に大切にしていくかということです。こうした観点から最近「文化行政」が新しい行政課題としてクローズアップされ、「文化」を広く市民の生活に根ざした豊かな人間らしい生活の営みとしてとらえ、行政の各分野にわたって総合的に取りくんでいます。幸にして昨年9月市民文化懇談会が発足し委員各位からいろいろな討議をいただいています。これからは生きがいに満ちた市民生活が営まれるような風土づくりをすすめてまいります。

■自主と連帯によるふれあいのある地域社会づくり
 これまで「まちづくりは、地域や職場のなかで市民の積極的な参加を得ることによってその歩みは一層早まる」との考えから、広報、広聴機能を通じての条件づくりを行ってきました。市民参加は、単に行政を批判したり、注文するだけの観客としてではなく、市民が主役となってすすめられる参加を重視しなければなりません。現在、地域社会に芽ばえつつあるボランティア活動やコミュニティづくりは、まさに市民の自発的参加によるものです。新年度は、こうした地域社会を軸として、さらに自然やみどりを守る運動、消費者運動としての省資源、省エネルギー運動を積極的に助長するとともに、地域づくりの課題である「自主と連帯」への市民の役割分担と行政の守備範囲について、引続き市民合意形成の場を確保してまいります。

■行政情報の積極的提供と行政情報システムの確立をはかる
 新総合計画が真に市民のための計画となるためには、市民に計画推進に必要な参加の条件づくりを行政側が積極的にすすめます。いままで市政の情報提供は、広報紙等を通じて行ってきましたが、さらに市民が考え選択することのできる素材を提供できるよう努力するとともに、行政資料や研究成果を1か所に集中する「行政資料室」を設け、職員の利用に供し、将来は、市民にも広く公開できるような体制をつくります。
 また、行政の質の向上と事務の効率化をはかるためコンピューターシステムは欠くことのできない手段として重要な役割を果しています。
 まず第一段階として、住民情報を的確に把握し、タイムリーな活用と市民の利便のために、住民情報管理システムの開発をすすめながら、行政の近代的経営に取りくんでいきます。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 施政方針を説明する渡辺市長
( 写真説明 ) 建設中の郷土博物館

55年度当初予算成立

■総額で457億9,200万円 きびしい財政環境

 昭和55年度の地方財政は、自治体の投資的経費の支出が圧縮する一方歳入面では地方債の発行を前年度よりさらに10パーセント近く減額するなど、市の台所はますます苦しくなっています。
 このように市税の伸びは、鈍化を示し、自主財源の確保は依然としてきびしく、市税収入は総額で172億568万円、54年度当初予算にくらべ11.8パーセントの増加にとどまっています。
 そこで市は、55年度、市民負担のバランスに応じた財源確保をはかるため、保育園の保育料、戸籍などの諸証明手数料などの料金改正を行いました。
 こうした中で55年度予算は、新総合計画にかかげる施策をもとに、住民要望の実現をはかるため財源の重点配分を行い、つとめて経常経費の節減に最大限の努力と工夫をはらいながら抑制型の予算を編成しました。

■昭和55年度当初予算のあらまし
一般会計予算額 313億3,500万円
〔歳入内訳〕 
・市税      172億  568万円  (54.9%)
・地方譲与税        3億6,700万円   (1.2%)
・娯楽施設利用税交付金
                3,700万円   (0.1%)
・自動車取得税交付金    2億7,000万円   (0.9%)
・地方交付税          7,000万円   (0.2%)
・交通安全対策特別交付金    4,000万円   (0.1%)
・分担金及び負担金    10億7,792万7千円 (3.4%)
・使用料及び手数料     5億2,180万2千円 (1.7%)
・国庫支出金       42億4,461万2千円(13.6%)
・県支出金        10億  461万4千円 (3.2%)
・財産収入           8,453万8千円 (0.3%)
・寄付金             20万3千円    (−)
・繰入金            840万円      (−)
・繰越金       12億円         (3.8%)
・諸収入       28億1,992万1千円 (9.0%)
・市債       23億8,330万3千円 (7.6%)


〔歳出内訳〕
・議会費        3億5,931万2千円 (1.1%)
・総務費       28億5,180万円   (9.1%)
・民生費       49億9,490万円  (15.9%)
・衛生費       38億6,667万2千円(12.3%)
・労働費        1億5,516万4千円 (0.5%)
・農林水産業費       9億   64万3千円 (2.9%)
・商工費       15億9,667万4千円 (5.1%)
・土木費       70億6,652万4千円(22.6%)
・消防費       12億7,320万2千円 (4.1%)
・教育費       56億7,468万7千円(18.1%)
・災害復旧費        2億7,461万7千円 (0.9%)
・公債費       22億6,925万7千円 (7.2%)
・諸支出金              50万円      (−)
・予備費          5,104万8千円 (0.2%)


特別会計予算額      85億2,885万3千円
・国民健康保険事業会計  38億3,300万円
・下水道事業会計     25億1,200万円
・青島津田土地区画整理事業清算金会計
                2,300万円
・依田原新田土地区画整理事業会計
              7億1,850万円
・富士中部土地区画整理事業会計
                6,790万円
・地方卸売市場事業会計   5億6,594万円
・駐車場事業会計        6,380万円
・公共用地先行取得事業会計 6億2,640万円
・内山会計ほか8会計    1億3,901万3千円


公営企業会計予算     58億7,859万5千円
・水道事業会計
  収益的支出      16億  755万8千円
  資本的支出       7億9,826万8千円
・病院事業会計
  収益的支出      32億8,136万円
  資本的支出       1億9,140万9千円
■国民健康保険税が一部改正
平均1万円の減となります
 国民健康保険税条例の一部改正が3月市議会定例会に提案され、原案どおり採決したので、この4月1日から実施されます。
 今回の主な改正点は、国保税の課税限度額が「19万円」から「22万円」に引上げられたのをはじめ、所得割額の「100分の340」が「100分の200」に、資産割額の「100分の85」が「100分の50」に、また、平等割額の「8,880円」が「7,560円」にそれぞれ引下げられました。
 この国民健康保険税は、毎年4月1日にきまり、保険税納税通知書で保険税の額、算出方法や納税方法などを通知しています。
 参考までに、昭和55年度の保険税は均等割額(4,920円に被保険者数をかけた金額)と所得割額(市民税所得割額に2をかけた金額)及び資産割額(固定資産税土地家屋分の0.5)さらに世帯平等割額(1世帯7,560円)との合計額で、1世帯の課税限度額は22万円です。
 これを標準世帯(3人)で54年度とくらべてみると保険税の税負担額は54年度は8万629円だったのが、55年度は、この軽減措置で7万549円となり差引き平均1万円の減となる見込みです。


■母子家庭等へ医療費を助成
 18歳末満の児童を扶養している母子と父子家庭等に医療費の助成金が一部支給されることになりました。この支給条例も、3月市議会定例会で正式にきまったもので、4月1日から実施されます。
 助成の対象になる人は、次のとおりです。
◇助成対象者
・母子家庭の母及び18歳未満の児童
・父子家庭の父及び18歳未満の児童
・両親のいない18歳未満の児童
◇所得制限
 助成対象者又は助成対象者と生活を同じくする扶養義務者の前々年の所得に所得税が課せられていない世帯
 医療費の助成を受けようとする人は、1.医療保険証 2.申請者名儀の預金口座番号 3.前々年、前年分の所得に対する課税状況を証する書類(源泉徴収票など)4.印鑑を持参して市庁舎2階西側の社会課医療係(電話51-0123内線229)へ定められた「母子家庭等医療費助成金支給者証交付申請書」を提出し、受給資格を受けてください。
 なお、交付申請は4月1日から受付けします。

期待しています

●中村珪子さん(43歳・富士見台7)
- 写真あり -

 現在、子どもは吉原第三中学校に通学しています。
 この富士見台に中学校ができることを聞き、こんなにうれしいことはありません。
 近くに学校ができれば、通学時間の短縮や思う存分に部活ができます。
 完成が待ちどおしいですね。

●河野勝義さん(50歳・富士本町2)
- 写真あり -

 新しく文化振興課ができますが、私は大きな期待を寄せています。市民文化の向上は行政だけでなく、自分たちが自発的に行わなければ。
 文化施設についても、もっと利用しやすくしてほしいですね。
 今後、文化振興課が文化行政の中心となっていくことを期待しています。

ことしの新しいしごと

校舎の増改築などへ24億円を投資

 新年度の重点事業は、すでに2月25日号の広報ふじでお知らせしましたので、新しいしごとの主なものを中心にここで紹介いたします。(カッコの数字は事業費です)

・循環器検診(成人病検診)       (343万円)
・富士見台消防分署新築       (8,949万円)
・消防団第18分団詰所新築     (3,017万円)
・公共土木施設等災害復旧
  道路関係              (360万円)
  河川関係          (1億7,760万円)
  農業関係            (8,682万円)
・(仮称)東部下水処理区認可申請委託
                  (1,800万円)


・樹林、樹木保護指定事業        (250万円)
・第三保育園建設事業        (2億785万円)
・母子家庭等の医療助成       (2,247万円)
・障害児保育促進事業          (601万円)
・養護老人ホーム用地取得、造成事業
                (2億2,715万円)
・障害者福祉都市推進事業      (3,350万円)
・高齢者事業団発足           (623万円)
・大渕第一小学校校舎改築      (4億974万円)
・吉原小学校体育館改築       (1億594万円)
・鷹岡小学校体育館改築     (1億5,394万円)
・東小学校、元吉原小学校屋外便所設置  (700万円)
・伝法小学校プール改修       (1,000万円)
・吉永第一小学校改築設計委託      (450万円)
・吉原第二中学校校舎改築    (2億3,814万円)
・富士南中学校校舎増築     (2億2,534万円)
・(仮称)吉原北中学校新設   (2億1,904万円)
・同校体育館新築        (1億1,514万円)
・岩松中学校西グランド歩道橋設置  (2,000万円)
・学校施設用地取得事業(仮称・岩松第二小、吉永第一小、若松中)
                (4億7,940万円)
・社会科副読本作成           (460万円)
・小学校教科書改訂に伴う教師指導書 (1,570万円)
・歴史民俗資料館設置        (1,770万円)
・(仮称)西部公民館建設    (1億1,108万円)
・(仮称)西図書館開設       (4,900万円)
・学校運動場夜間照明施設(富士中、仮称吉原北中、神戸小)
                  (1,510万円)
・東球場駐車場用地取得事業     (3,150万円)
・特産営農団地育成事業       (2,166万円)
・農用地高度利用促進事業        (132万円)
・林業構造改善事業         (3,794万円)
・漁業用施設設置事業補助      (5,097万円)
・漁礁施設設置事業補助       (1,275万円)
・国勢調査費            (3,515万円)
・参議院議員選挙費         (2,538万円)
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