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【広報ふじ昭和55年】地震防災強化計画まとまる

警戒宣言から発生まで

■地域防災計画東海地震対策編
 このほど、富士市地域防災計画の東海地震対策編(地震防災強化計画)がまとまりました。
 これは、大規模地震対策特別措置法に基づき、昨年8月7日静岡県全域が「地震防災対策強化地域」に指定されたことにより、市防災会議が策定したものです。
 この計画は、警戒宣言から地震発生まで、予防や対策などを定め、特に市や市民及び防災関係機関が、予想される東海地震に備えて、どのように対処するかなどを具体的にまとめています。


■地震防災強化計画のあらまし

 この計画は次の4つに大きく分けられています。
 まずはじめに
 この計画の目的、性格、構成を明らかにし、市及び防災機関などがそれぞれに果たす役割を示してあります。また、この計画の基礎となる東海地震の危険度の試算を示しています。
 平常時の対策として
 警戒宣言及び地震が発生した時、的確な防災対策がとれるように、市や市民及び防災関係機関に対して、防災思想の普及、防災訓練及び自主防災活動についての対策を示してあります。
 地震防災施設緊急整備事業として
 地震による災害から市民の生命、身体及び財産を守るため、これから整備すべき防災事業の種類、目的、内容などを示してあります。
 これらの事業としては、消防用施設、無線施設などの防災業務施設の整備、避難地・避難路の整備、病院や福祉施設など建物の整備、がけ崩れの防止や津波対策など災害の防止事業などがあげられます。
 地震防災応急対策として
 警戒宣言が発令されてから地震が発生するまで、または警戒解除宣言が出されるまでの応急対策について定めてあります。
 以上の4つに対して、主なものを紹介してみると

■自分の命は自分で守ることが大切です

◇東海地震の危険度の試算

 この試算は、御前崎沖から駿河湾に至る駿河トラフ沿いの線から、西方の領域を震源地とした、マグニチュード8程度の地震が発生した場合を想定しています。
 火災の前提条件としては、春または秋の昼食時で東北東の風5メートル。
 この想定のもとで、突然地震が発生した場合、市内のり災世帯は全世帯の48パーセント、また、地震予知があったあと地震が発生したときは、全世帯の26パーセント程度が、り災世帯として被害を受けるのではないかと試算されています。
 このように警戒宣言が出されて、行政及び市民等が事前に的確な防災措置をとれば、火災の発生は激減し、死傷者も大幅に減少できるとされています。
◇自主防災活動を

 東海地震の災害から生命、身体、及び財産を守るためには、地震についての防災意識を高めるとともに、お互いに協力し、町内会(区)、婦人会、青年団などと常に密接な連絡を保ち、自発的に町内ごとに防災組織をつくり、組織単位の訓練を積み重ね防災への対応策をからだで覚えこれを家庭、地域、職場等で実践に移すことが一番大切なことです。
 市民が果すべき役割は、きわめて大きく、市民は自分たちの安全は、自らの手で守る意欲をもち、ふだん(平常時)から地震発生時に至るまで可能な限りの防災対策を着実に実施する必要があります。
●平常時には……
 1.防災知識の学習
 2.自主防災活動の話し合い
 3.防災の日の設定
 4.防災用資機材の整備
 5.防災訓練の実施など
●警戒宣言時には……
 1.正確な情報収集、伝達
 2.火災予防
 3.非常持出し品の準備
 4.適切な避難
 5.自動車運転の自しゅくなど
●地震発生後には……
 1.初期消火
 2.負傷者の救出救護
 3.自力による生活手段の確保
 4.情報の収集、伝達
 5.応急復旧など

◇防災施設の整備

 地震による災害から市民の生命、身体及び財産を守るため、防災施設や避難地、避難路などの整備をします。
 防災業務施設の整備としては、消防用施設、無線施設、水道施設、医療殻備などがあげられています。
 防災上重要な建物の整備としては病院施設、福祉施設、学校施設など。
 また、自主防災組織に対しては、防災活動が円滑にできるよう、防災資機材の整備促進をはかります。

◇警戒宣言が出されたら

 警戒宣言が発令されると市の広報無線放送やサイレン、半鐘などで市民にお知らせします。
 市では、直ちに市役所内に「地震災害警戒本部」を設置し、市職員を非常招集します。
 また、警戒本部の出先防災拠点として各地域の公民館など18か所に前線基地が設けられ、それぞれ地区班員が配備されるなど、地震防災上必要な情報の収集及び伝達が行われます。
 一方、警戒本部では、警戒宣言、地震予知情報などを市民へ伝達するほか、県への報告、防災対策の連絡調整などをはかります。また、交通規制の要請や避難の勧告又は指示、避難者の救護、食糧、日用品、飲料水、医薬品などの確保につとめます。
 なお、この警戒本部は、警戒解除宣言が出されるまで設けられ、いろいろな応急対策にあたります。
 以上が、地震防災強化計画のあらましですが、いざというときには、国や県・市が全ての面で救護活動を行うことはできません。
 自分の命と財産を守るため、一人一人が災害に備え、ふだんから十分な準備をしておくことが大切です。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 地震グラグラ火事とめよう

計画策定までの歩み

 昭和51年8月、ある地震学者が、「東海地方に巨大な地震が起こる可能性がある」と発表。
 昭和53年6月、国は大地震の発生を予知して、地震災害を防止、軽減させようとする大規模地震対策特別措置法(大震法)を制定。
 この大震法に基づき昭和54年8月7日静岡県を中心として山梨県・長野県・岐阜県・愛知県・神奈川県の6県、170市町村が地震防災対策強化地域に指定される。
 強化地域に指定された170市町村の中に当市も含まれる。
 市が強化地域に指定されたことにより、市防災会議は予想される東海地震に対して、市や市民または防災関係機関がどのように対処するかを現わした「富士市地域防災計画東海地震対策編」を2月19日に策定。
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