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【広報ふじ昭和54年】ふじ・あしたかの自然への招待 21

丸火自然公園のようす 野鳥

■春から夏にかけて

 公園の低い木のてっぺんで、チョン・チョン・ピーッツ・チョン・チュリー。チョン…と、ホウジロがさえずり、ウグイスも、ホー・ホケキョ・ケキョ・ケキョ。と春の訪れをつげてくれます。
 初夏になると、南からカッコウや、ホトトギスが渡ってきます。夏の夕ぐれ、キョ・キョ・キョ。とヨタカが鳴き、季節の移り変わりを知らせてくれます。
 このころ注意して観察すると、ツキ(月)・ヒ(日)・ホシ(星)・ポイ・ポイ・ポイ。とさえずり、目がコバルト色で長い尾をなびかせて飛んでいる“三光鳥(サンコウチョウ)”を見かけます。この鳥は、静岡県の県の鳥になっています。
 このほか、この時期に見かけるおもな野鳥と、その鳴き声を紹介して見ましょう。

◇カッコウ(ホトトギス科)
 カッコー・カッコー。と鳴く渡り鳥です。
 この鳥は、ちゃっかりもので、モズ、ホオジロ、アオジ、キセキレイ、ノビタキなどの巣にタマゴをあずけて、ひなを育てさせます。

◇クロツグミ(ツグミ科)
 キキコ・キキコ・キョイ・キョイ・キョ・キョコ・キョコ・ピョピア。と美しくほがらかに鳴く渡り鳥です。

◇キビタキ(ヒタキ科)
 ヒヒ・ヒヒ・ヒヒ・ヒヒ・キョロ・キョロ。とかなしげにさえずる渡り鳥です。

◇オオルリ(ヒタキ科)
 ピッ・ピッ・ギチ・ギチ・ギチ。と美しい声で鳴くルリ色の美しい渡り鳥です。

◇センダイムシクイ(ウグイス科)
 シッチビー・ジー。と鳴く渡り鳥ですが、聞く人によっては「焼酒(しょうちゅう)いっぱいグィー」とも聞こえます。

◇アカハラ(ツグミ科)
 キョロン・キョロン・ジイー。と鳴きます。
■秋から冬にかけて

 秋も深くなり、草や木の実が落ちるころになると、カケスの美しい姿が目につきます。カケスは、姿に似あわず、ジェーイッ・ジェーイッ。と鳴き、あまり気持のいいものではありません。
 ときどき草むらから、大きな羽音(はおと)をたてて、コジュケイが飛びたちます。もともと中国産の鳥でしたが、東京のある人が大正時代に、庭に放ったのが、日本の気候、風土にあったためか、しだいにふえて、今ではいたるところで見られるようになりました。
 寒さが一段ときびしくなると、シベリヤ方面からカシラダカの大群が渡ってきます。これらの鳥たちは、カラッ風の吹きぬける林のなかで、春の訪れをまっています。
 このほか、公園内で見られる野鳥は……

◇マヒワ(アトリ科)
 チュウィーン・チュウィーン。と澄んだ声で鳴くスズメより小さい渡り鳥です。

◇ウソ(アトリ科)
 フヒー・フヒー。と人間の口笛そっくりに鳴き、ばら色のノドをしています。この鳥は、夏は富士山の2〜3合目付近、冬は公園付近と、季節により移動するので漂鳥(ひょうちょう)と呼ばれています。

◇ツグミ(ツグミ科)
 ムクドリよりやや大きい鳥で、シベリヤ方面から渡ってきます。

◇カワラヒワ(アトリ科)
 スズメより大きく、大群で渡ってきます。
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