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【広報ふじ昭和54年】ふじ・あしたかの自然への招待 20

丸火自然公園のようす 植物

■種類と特徴

 丸火自然公園は、コナラを代表種とする二次林ですがもともとは、この地域が暖帯にはいっていることから、カシ、ヤブツバキなどの照葉樹林(しょうようじゅりん)になっていたと思われます。
 しかし、ここでは、炭焼(すみやき)や、まきの原料として木が切り倒されたため、森林の移り変わりが途中で止められ、夏緑広葉樹(かりょくこうようじゅ)であるコナラの二次林となってしまったのです。
 コナラは、陽樹(ようじゅ)と呼ばれて、明るい所で発芽して育つのに対し、ヤブツバキは、陰樹(いんじゅ)と呼ばれて、暗い林のなかで発芽して育つという、まったくちがった特徴をもっています。
 そのため、丸火自然公園のように、木が切り倒され、林のなかが明るくなると、コナラなどの陽樹が育つわけです。

◇夏緑広葉樹(かりょくこうようじゅ)……落葉広葉樹(らくようこうようじゅ)ともいいます。冬になると落葉する木で、ブナ、カエデ、コナラ、クヌギなどがあります。富士山ろくの標高800メートル以上の地域は、ブナで代表される夏緑広葉樹林帯ですが、現在は植林が進み、わずかしか残されていません。

◇照葉樹(しょうようじゅ)……常緑(じょうりょく)広葉樹ともいいます。葉が厚く、光沢があるので照葉樹といいますが、その仲間には、カシ、ツバキ、タブ、シイなどがあります。富士山ろくの標高800メートル以下の地域では、もとは照葉樹林が続いていただろうと考えられます。
■豊富な植物

 公園内の大部分は、溶岩でおおわれているために、乾燥(かんそう)しやすいので、植物の生育はよく調べて見ると、小さな谷があったり、古い地質の所があったりしてたいへん複雑になっているので、意外に種類が豊富です。
 現在までの調査では、カンアオイ、数種類のスミレ、キンラン、ミヤマウズラ、オオバノトンボソウ、エビネ、クモキリソウなど、450種余りの高等植物(種子植物やシダ植物)があることがわかりました。

毒(どく)のある植物
◇ドクウツギ…………猛毒(もうどく)を持っている植物です。実や葉、枝をたべると死んでしまいます。公園の周辺部にはえていて、ウツギの葉に似ていますが、葉には毛がなく、やや光沢があって、葉は枝に向かい合ってついています。花は早春のころ、葉がでる前に咲き、秋に赤い実をつけます。

◇ヤマトリカブト……この植物は、花や葉などすべて有毒ですが、特に太い根には猛毒があります。公園内では池の東南の湿った所にはえていて、秋に濃いムラサキ色の花が咲きます。
 また、この植物は漢方薬(かんぽうやく)として有名ですが、使い方がむずかしく、分量をまちがえると、たいへん危険です。

◇ムカゴイラクサ……ドクウツギ、ヤマトリカブトよりも、毒の少ない植物です。池の東側に多くはえていて、葉や茎にトゲがあり、このトゲに毒があります。うっかりさわると強い痛みがあり、いつまでもなおりません。
 漢名(かんめい)は「蕁麻(じんま)」と呼び、蕁麻疹(じんましん)はここからつけられた病名だとも、いわれています。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 森林の移り変わり
- 写真あり -
添付ファイル
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