植物の住みわけ
公園で最も目につく樹木はコナラです。そのなかに、エゴノキ、シデの類、ヒメシャラ、リョウブなどがまじっています。これらの木の下には、アセビ、ツリバナ、ガマズミ、ヤマツツジ、クロモジなどの背たけの低い木があり、さらにその下には、コウヤポウキ、タマアジサイ、ハナイカダなど、もっと下には、カリヤスの類や、スゲの仲間などの草がはえています。
林のなかでは、このように背の高いものと低いものがお互いに住みかをわけあって生活していることがわかります。これを住みわけといいます。
植物は、背の高さだけではなく、林の内部と周辺部、かわいた所と湿った所、というように、いろいろの条件にあわせて、お互いに少しづつゆずりあい、助けあって生活しているのです。
森林を守る着物
うっそうと茂った森林も、背たけの低い植物で、まわりが守られています。これが森林を守る着物の役目をもった仲間たちで、マント郡落とか、ソデ郡落と呼んでいます。
マント郡落は、いくらか背の高いウツギ、マメザクラ、ミヤマイボタなどの低木や、クズ、ノブドウ、ヘクソカズラなど、つる性の植物の集まりです。これらは、日光のあたる林のへりにはえる植物で、これらの植物がはえることによって、森林内部の適当な日照や風通し、温度が保たれるので、森林にとっては、切り離すことのできない仲間です。
マント群落の、すそのおさえの役目をしているのが、ソデ郡落で、ヤエムグラ、アカネ、イタドリなどの草が見られます。
- 図表あり -
( 図表説明 ) マント・ソデ群落