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【広報ふじ昭和54年】ふじ・あしたかの自然への招待 18

丸火自然公園のようす

地質・地形

 大渕丸尾溶岩流は、富士山の寄生火山の一つの噴火口から流れ出たものです。
 噴火口は、少年自然の家から北へ、約4キロメートル登った自然林と植林地の境目にあり、浅いすりばち状のくぼ地になっています。しかし、火口には、スギ、ヒノキが植林されているので、ふつうの人では見わけがつきません。
 溶岩流は、ガラガラした溶岩原を形づくり地質学のうえでは、“アア溶岩”と呼んでいます。また、噴火した時期が新しいのと、火山灰層(かざんばいそう→ローム)でおおわれていないために、水通しのよい層をつくっています。
 公園内を歩くと、いろいろな地質や地形を見ることができます。それらは、溶岩樹型(ようがんじゅけい)、溶岩洞穴(ようがんどうけつ)、溶岩塚(ようがんづか=ショウレンドーム)をはじめ、溶岩球などで、どれ一つながめても、自然のみごとな造形にふれることができます。


溶岩樹型

 溶岩樹型は、高い温度でとけている溶岩流が、大木の茂っている林のなかを流れたときにできたもので、溶岩に樹木の型が残っている空洞(くうどう)のことをいいます。
 公園内の溶岩樹型には、溶岩が木の幹(みき)に巻きついて、転(ころ)がりながら固まったために、筒(つつ)になっているところから「管状樹型(かんじょうじゅけい)」と呼ぶものと、倒れた木をだきこんでできた「横臥樹型(おうがじゅけい)」とがあります。
 また、なかには、木のはだの模様(もよう)が残っているものもあります。


溶岩洞穴(溶岩トンネル)

 おもに玄武岩質の溶岩流などでは、表面が固まってから、なかのまだとけている部分が先端を突きやぶって流されると、“溶岩洞穴”と呼ばれる空洞ができます。
 公園内で見られる洞穴は、ほとんど横臥樹型の空洞が溶岩流の通路になってできたものです。洞穴内の壁には木のはだの模様や、ろっ骨状のヒダが残っています。またケイ酸分が沈澱(ちんでん)してできた、ケイ酸華(ケイさんか)のほかに、とけた溶岩がたれさがってできた溶岩鍾乳石(ようがんしょうにゅうせき)なども見られます。
溶岩塚(ショウレンドーム)

 溶岩流の末端(まったん)付近で、表面がひえて固まりはじめているとき、溶岩流のなかのまだ固まっていない部分が、表面を押しあげてつくった、だ円形の小さな丘を“溶岩塚”といいます。
 このような溶岩塚は、富士山ろくにはたくさんあります。公園内では、池の東側の小高い丘がこの溶岩塚で、南北約150メートル、東西約75メートル、高さ釣12メートルで、この種の丘としては、やや大型のものです。
 しかし、この溶岩塚は、大渕丸尾よりも古い「丸火自然公園溶岩流」がつくったものです。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 溶岩樹型(筒状)


公園近くの地層(火山灰層)

 公園は、溶岩がむきだしになっていますが、公園をはずれると、火山灰の風化した「土」があります。
 公園内の道路には、所々に赤い土の地はだが見られます。この土をよく見ると、いちばん上に、クロボク(黒い土)があり、その下に、スコリアと呼ばれている溶岩のクズのようなものが、厚さ50センチぐらい入っています。
 スコリアの下の黒っぽい土の部分には、新富士火山の中腹にある寄生火山から噴き出された火山レキが入っています。このように火山灰の土のなかに火山レキがはいって固くなったとき“マサ“と呼ばれる層ができます。
 その下から溶岩までは、おもに新富士火山の噴き出した赤土(あかつち)で、この赤土の上の部分には、伊豆半島にある火山から噴き出した軽石の小さな粒(つぶ)がはいっています。
 火山レキや、軽石が飛んできた時期は、およそ2000年から3000年前だと考えられています。
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