富士市 FUJI CITY Official Site

富士市
広報ふじ > 昭和54年 > 昭和54年6月25日 275号 > 【広報ふじ昭和54年】ふじ・あしたかの自然への招待 17

【広報ふじ昭和54年】ふじ・あしたかの自然への招待 17

丸火自然公園とは……

 この公園は、自然を生かし市民の保健とレクリェーションの場とするために、昭和45年から整備を進め、現在ほとんどできあがっています。
 公園内には、丸火自然館、広場、キャンプ場、遊歩道万葉植物園のほか、少年自然の家もあります。また、公園内や山ろくを見わたせる展望台もあります。

丸尾……

 丸尾の意味は明らかではありませんが、昔、この溶岩流の上を馬が歩くとよく転(ころ)ぶので、そのことを地元の人たちは、「転(まろ)ぶ」とか、「転(まろ)び」といっていたようです。このことばがなまり“丸尾(まるび)”と名づけられたといわれています。
 丸火自然公園に使われている「丸火(まるび)の字句は地名の“丸火”をそのままとって、名づけられたものです。

おいたち

 富士火山の南斜面のほぼ中央部に、細長くちょうど、“長グツ”のような形をした溶岩流があります。これが大渕丸尾溶岩流(おおぶちまるびようがんりゅう)です。
 今から約1,750年前、新富士火山の寄生火山である大渕丸尾が噴火してできたものです。この噴火は、はげしいものではありませんでしたが、高温のカンラン石玄武岩を大量に流しました。
 このとき流れた溶岩によるガラガラした地形が、噴火口から今宮の浅間神社付近まで、約9キロメートルも続いています。
 富士山ろくで、新富士火山のガラガラした溶岩が、むきだしになっている溶岩流のことを「丸尾(まるび)」と呼んでいます。富士火山には、大渕丸尾のほかに、十里木丸尾、青木ヶ原丸尾、剣(けん)丸尾、鷹(たか)丸尾など、40をこえる丸尾溶岩流があります。

丸火公園の樹木

 丸火自然公園の雑木林は、専門的には“二次林(にじりん)”と呼ばれているものです。
 二次林とは、自然にできあがった一次的な自然林が破かいされたあとに、二次的にできた自然林のことをいいます。
 また、丸尾溶岩流のできた時期から考えますと、この公園にも、もっと大木(たいぼく)があっていいことになります。しかし、現在公園内で見られる樹木の大きさは、せいぜい10メートルくらいで、樹令も20年から30年くらいしかたっていないものばかりです。
 それから、もう一つの孝えられることは、このあたりの気候ですと、自然にはえるのにまかせておくと、照葉樹(しょうようじゅ)と呼ばれる幅の広い葉をつけた常緑樹(じょうりょくじゅ)が茂っています。
 そのわけは、次回の「なりたち」のところで説明することにしましょう。
 丸火自然公園にはいると、季節によってホオジロ、カッコウ、サンコウチョウ、カケス、ツグミ……など、いろいろな野鳥のさえずりが聞えてきます。
 公園は、標高400メートルから600メートルの間で、二次林の豊かな植物に恵まれています。最近は、野生の動物にとってかかせない水場もでき、エサ、住い、水と、三拍子がととのえられるなど、野鳥や獣(けもの)の保護がはかられてきています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 展望台からの富士山 手前の二次林が大渕丸尾溶岩流
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
E-mail kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp