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【広報ふじ昭和54年】生産と生活が調和する産業文化都市づくり

54年度当初予算案を内示

公共下水道、地震防災など盛り沢山の重点事業

 富士市の昭和54年度予算案が2月7日の部長会で内示されました。
 これによると、市の財政は大幅な財源不足が見込まれる中で、新総合計画(案)の都市づくりの基本理念である、快適で豊かな人間環境の創造を目ざして進められる「生産と生活が調和する産業都市の実現」を市政執行の基本目標とし、国の景気回復にも対処をはかりつつ、重点事業の選択と財源の重点的配分につとめ予算編成が行われました。


郷土博物館の建設など

 財源的には、市税における法人税関係の伸びが低迷しているため、積極的に財源の確保につとめたにもかかわらず、予想以上の財源難に直面することとなりましたが、公共下水道、道路、中小河川の整備、し尿処理施設の建設、ごみ処理施設の整備、地震防災対策、義務教育施設の整備をはじめ、総合社会文化会館建設基金の積立(仮称)、郷土博物館の建設、保育園の増設、田子浦老人福祉センターの建設、養護老人ホームの設計、市立中央病院の増改築計画などを推進するため、諸施策の予算化をはかりました。一般会計および特別会計の予算(案)内示規模と、重点事業のあらましは次のとおりです。
◇内示総額は
◆一般会計総額286億6,000万円(前年度当初比13.6%増)
(イ)経常経費164億8,253万円(前年度当初比10%増)
(ロ)政策経費121億7,747万円(前年度当初比19%増)
◆特別会計総額149億5,303万円(前年度当初比10.8%増)
◆合計   436億1,303万円(前年度当初比12.6%噌)
- 写真あり -
( 写真説明 ) 豊かな人間環境づくりを

重点事業は

▼いのちと健康を守るために…(27億5,941万円)

 まず市立富士中央病院の増改築基本計画調査費や医療機械器具の充実化をはじめ、救急、公害、交通事故、火災、災害防止対策などの強化をはかるために約27億6,000万円を予算化しています。
 とくに地震災害対策に力を入れ、新しく自主防災組織の育成のための補助制度の発足と、耐震用防火水槽100トン20基と40トン35基を新設するほか、広報無線受信局51か所(広域避難場所)に非常電源を設置します。


▼快適で住みよい豊かなまちをつくるために…(99億9,713万円)

 54年度は、富士見台および田子浦団地に鉄筋5階建公営住宅各40戸を建設します。また新しく富士駅前に無料の自転車駐車場(200台)の設置と、生垣づくり(専用住宅)の補助金を交付するほか、一般市道の新設改良、都市計画街路の整備、土地区画整理事業や上水道第5次拡張事業などを積極的に実施します。
第1清掃工場をごみ専門工場に
 ことしは、とくに公共下水道の管渠布設が大々的に行われます。このほか第1清掃工場を「ごみ専門工場」に、第2清掃工場を「し尿専門工場」にするため、いろいろな施設改善が行われ、約10億6,000万円というぼう大な予算がつぎ込まれます。


▼子どもや老人等の生活を守るために…(15億9,896万円)

 ここでの新規事業は、まず蓼原保育園および自由ヶ丘保育園の建設をはじめ、短期里親制度の委託事業や吉原、富士老人ホーム統合に伴う設計委託と、田子浦福祉センター(仮称)の建設を行います。このほかこどもと母親、老人福祉をはじめ身障者対策などにも積極的に取りくんでいきます。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 安らぎと潤いを街に
無年金者をなくすため
 また、新規に無年金者を救済し、老後の生活保障をはかるため、国民年金特別納付保険料の貸付制度を取り入れました。この制度の実施は、全国でもめずらしく、保険料を納めたくても納められない低所得者を対象に50万円(利率年3パーセント)を限度に貸つけ、これによって国民年金の未加入者を一掃し、誰もが老後になって年金が受けられるよう貸付あっせん制度を設けたものです。
▼教育や文化の水準を高めるために…(27億1,704万円)

 市内小中学校の新規事業は、吉原小をはじめ、元吉原小の校舎改築、今泉小および富士南小の体育館新築、東小の給食室改築や、富士見台小および天間小、東中のプール新設などがあげられています。
 このほか富士見台中の用地造成や吉原第二中第2期建設設計委託なども大きな事業の一つです。
 また、厚原浄水場配水池を利用して“厚原スポーツ公園”を整備するほか、いよいよ54年度は念願の「郷土博物館」の建設がはじまります。
 工費は4億1,348万円で1,734平方メートルの本館と別棟が建てられるほか展示室3室および収蔵室4室などが新設されることになっています。また、53年度に1億5,000万円(予定)と54年度2億円の計3億5,000万円を総合社会文化会館(仮称)の建設基金積立てを行い、できれば2年後の56年度中には着工する計画で諸準備をすすめます。


▼豊かな市民生活を支える産業経済の振興をはかるために…(13億3,513万円)

 ことしは、農業振興地域の基本構想を作成するほか、市、県単の土地改良事業の整備促進をはかります。
 また、新規事業として間伐材を主とした流通ルートを確立するため、県東部中核林業振興地域の強化推進とあわせ、同市に林業センター(管理棟)を建設します。
添付ファイル
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