【広報ふじ昭和54年】ふじ・あしたかの自然への招待 10
植物(No.1)
富士市には、種子植物だけでも、およそ1,000種類以上もあります。こんなに種類が多いのは、気候が恵まれているだけでなく、日本の最高峰である富士山、それよりずっと古い時代にできた愛鷹山、それに広大な浮島ヶ原などがあり、高山の植物、海岸の植物、草原、沼地と、さまざまな植物を見ることができるからです。
【富士山の風衝樹型(ふうしょうじゅけい)】
富士山が独立した山であることは、5合目付近のカラマツなどの樹型にも関係しています。下から吹き上げる強い風のために、一方向にのみ枝を伸ばしたカラマツがそうです。これを、その形から旗形樹型(きけいじゅけい)と呼んでいます。また、低く地をはうように枝を広げているカラマツもあります。これはテーブル状樹型といい、やはり強風のためにできた風衝形です。テーブル状樹型のカラマツは、その形から、ハイマツとまちがえられますが、富士山にはハイマツはありません。カラマツのほか、ダケカンバやミヤマヤナギなども同じ形をつくっています。
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( 写真説明 ) 旗形樹型カラマツ
( 写真説明 ) テーブル状樹型カラマツ
【富士山の高山植物】
富士山は日本一高い山ですが、日本アルプスなどでみられる高山植物のお花畑がありません。これは、富士山のできた年代が新しいことと関係があります。
一般に高山植物といわれているものは、1万年以上も前の氷河期に生育していた植物が、気候が暖かくなったため、高山にとり残されたものと考えられています。ところが、富士山のできた時代がこれより新しいため、高山植物が少ないのです。さらに、富士山は、まわりの山々から離なれていて独立した山であることや、ごろごろした溶岩ばかりで、植物が育ちにくいことも関係しています。
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( 写真説明 ) ムラサキモンズメル(マメ科)…富士山五合目付近の砂れき地に生える多年草。日本では、数か所に生えているだけでめずらしい植物。花はムラサキ色。
( 写真説明 ) イワヒゲ(ツツジ科)…姿からはとてもツツジ科の植物とは思えないが、7月頃にはかわいいつりがね形の花を咲かせる。
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