“富士市の名工”にふさわしい農具をに使うカマやクワ、ナタづくり一筋。鍛治職つづけて70年という市内永田1-23に住む小糸雄三さんはこのほど「技能功労」で渡辺市長から表彰を受けました。
この技能功労者は、同一職種に30年以上つとめ、技能の練磨や後進の育成に寄与し、功績のあった人たちをたたえるもので、ことしで3年目34職種43人がめでたく受賞しています。小糸さんは、この中で最高令者の83歳です。どうみても70歳代ぐらいにしかみられませんが、いまでも毎朝1回は、持ち馴れた大きいゲンノウを手にしながら“まだ、まだ若い者には負けてはいられません”…と子弟の指導に当っています。
また、小糸さんの先祖は、山本の姓で昔は小田原藩に仕えた鉄砲鍛冶だったという。その後、市内三日市の浅間神社で宮司をつとめたとき山本から小糸に姓がかわり、鍛治職を始めてから、いまの長男の伝吉さん(50歳)の代で4代目の約200年の古い伝統を誇っています。このほか、戦時中は、10本ぐらいの日本刀をつくり、賞金100円をもらったこともあり、いまでは昔なつかしい想い出の一つですよ……と小糸さんは話してくれました。
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( 写真説明 ) きょうも大ヅチを振う83歳の小糸さん