【広報ふじ昭和53年】東海地震に備えて
宮城県沖地震の教訓(その1)
市は、さる6月12日に発生した宮城県沖地震から東海地震に備える貴重な生きた教訓を得るために、長洲総務部長を団長とする市職員7名の調査団を7月4日から4日間、仙台市へ送りました。
調査は防災対策、建設、消防、水道、広報など専門的に行ないました。
ここでは総合的な教訓を基に、特集を組み、今回と次回にわたり、みなさんと地震対策について考えてみたいと思います。
■宮城県沖地震
6月12日(月曜日)午後5時14分、東北地方を中心に北海道から滋賀県までの日本列島のおおよそ半分を揺がす大地震が発生、この地震で仙台市は震度6の烈震を記録しました。
震源地は宮城県沖約100キロの海底で、震源の深さは約40キロ、地震の大きさはマグニチュード7.5でした。
地震の規模としては昭和39年の新潟地震、昭和43年の日向灘地震に匹敵するものでした。
仙台市では、死者12名がでたのをはじめ、ビルや家屋、ブロックべいの倒壊、道路、橋の破損、ガス漏れ、重油の流出など大きな被害がでました。とくに注目されるのは、地震の犠牲者12名のうち、11名までが通行中や逃げ出した際に雑な工事のブロックべい、石べいの下敷になって死亡したことです。
- 写真あり -
( 写真説明 ) ガックリひざを落とした頭デッカチのビル(仙台市)
( 写真説明 ) 30センチも道路が下がる(仙台市)
( 写真説明 ) まだあの恐怖が…(仙台市役所ロビー)
■グラッときたらまず火のもとを
人口65万人、東北随一の都市、仙台は、昔から大きな災害にあわなかったため、“仙台は災害に強い都”というイメージが市民にも行政側にもあり、この安心感が多数の被害を出した原因の一つになっていました。
しかし、仙台は、恐ろしい地震による火災から、まぬがれています。これは、家庭の主婦のほとんどが本震10分ほど前に起った弱い地震で、すばやく火を消し、しばらく様子を見ていたという落ちついた好判断があったからです。
地震で怖いのは地震に伴なう火災の被害です。
地震対策の第1は、何をおいても、まず火を消すことです。日ごろから、ひとりひとりが、心がけておきましょう。
火を出さないために
●火を使う施設や器具は定期的に点検整備をしておき、そばには、必ず消火器を備えておくこと。
●プロパンガスのボンベは、必ずクサリなどで倒れないように固定しておくこと。
●石油ストーブは地震で揺れたら自動的に消える対震自動消火装置つきのものを使うこと。なお、53年1月1日から市の消防条例でこの装置がついてない石油ストーブは使えなくなっています。
●発火性、引火性のある薬品は、低い所に移し、スベリ止めをしておく。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 火を消す
欠陥ブロックの恐怖
この宮城県沖地震で一番注目されたのが、ブロックべいの問題でした。
仙台市の死者12名のうち、なんと11名までが通行中や逃げる際に、別れたブロックべいや石べい、門柱の下敷きになり死亡したのです。
倒れたブロックべいのほとんどが鉄筋の入ってないものや鉄筋の数が足りない、基礎が浅いものなど構造上、欠陥のあるものばかりでした。
ブロックべいのあるお宅は、次の基準に合っているかを点検し倒壊防止をして下さい。
●高さは3メートル以下
●壁の厚さは15センチ以上(高さが2メートル以下のものは10センチ以上)
●基礎は高さ35センチ以上で根入れの深さは30センチ以内で、縦横に直径9ミリ以上の鉄筋を入れる。
●縦、横80センチ以内の間隔で、ブロックべい内部に直径9ミリ以上の鉄筋を入れる
●へいの長さは3.2メートル以内の間隔で支柱を設ける
■関東大震災
大正12年9月1日、午前11時58分、マグニチュード7.9震度6の関東大震災は、東京の3分の1を焼野原にし、死者9万9千人という痛ましい犠牲者をだしました。その火元の多くは昼食の仕度をしていた家庭の台所からでした。
■これからブロックベいを……という方に! 生け垣はいかがですか。
生け垣は、地震に強く、少ない経費、緑化にも役立ちます。(次回は建物についてお知らせします)
- 写真あり -
( 写真説明 ) バッタリ倒れたブロックべい
(次回は建物についてお知らせします)
添付ファイル
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