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【広報ふじ昭和53年】“消防のほまれ”

外山・小笠原・羽田の三氏が受彰

 消防団員として最高のほまれといわれている消防庁長官表彰の「永年勤続功労章」の伝達式が3月27日、8階政策会議室で行われました。
 この長官表彰は、30年以上勤続し特に成績優秀で他の模範と認められと消防団員に贈られるもので、この栄誉に輝いた方は、外山義一、小生原実男、羽田虎雄の三氏で、それぞれ渡辺市長から表彰状が伝達されました。またこの日、日本消防協会々長表彰の「功績章」「精績章」「勤続章」の表彰伝達があわせて行われ10名の方におくられました。
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( 写真説明 ) 功績章を受彰した右から外山、小笠原、羽田の三氏

防火作文 市長賞 たばこの一服・火の用心 原田小6年 石川宏美

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 火、私達の先祖がうみ出した火、私達が生活していく上になくてはならない火、その大切な火の扱いの不始末があのおそろしい火事を招いている。
 ずっと前になるが私の家の近くに火事があった。ボウボウと火が高くもえ上がり、暗い夜空が赤くそまり、火の粉が帯の様に流れていくのを見た。その日はそんな寒い夜ではなかったが、からだが自然にふるえ、だれかにすがって立っていたことを覚えている。そして母が急いでごはんをたき、手をまっかにしながら、いくつもおにぎりをにぎっていたことが思い出される。
 また去年は親せきの家が焼けた日頃、あまり仲のよい家ではないので、いききはしていないが、火事のしらせを聞いて「かわいそうに、丸焼けだって。おじさん達は出かけていたのでけがはなかったけど、荷物は全部灰になってしまったそうだよ。」と心配そうに話していた。そして早速お見舞に出かけた。原因を聞いてみると、たばこの火の消し忘れだったとか。
 火事になるには必ず原因がある。全国的な調査でもその第一にあげられているのが、たばこの火の不始末であると、ゆうべのテレビでも話していた。
 私の家の祖父も父もたばこはよくすう。仕事の後、おいしそうにすっている所を見ていると、見えるか見えないかのあのわずかな火がどうして家一軒を灰にしたりするのか不思議にさえ思われる。しかしたばこを手にしている−。お客さんが見える−。急いで立つ−タバコを台のふちに置いて。ひとりですむ時はまたそのつづきを吸っているが、何人もの人が続くと台の上でたばこは灰となっている。とぼれてしまってはいるが、、後をみると、黒くこげていることがある。「これだな。」と思った。これが誰もいないときだったらどうだろう。夜中だったらどうだろう。「まったくお父さんは。」「おじいちゃん気をつけてよ。」ではすまされなくなる。「どれねるとするか。」「おじいちゃん、寝る時はたばこ止めて。」
 私が妹が声をかける。この頃ではほとんど止めてくれている。
 去年の6月、修学旅行に行った。おみやげを何にするか迷ったが、たばこ好きの父のことを考え、鎌倉で灰皿を買った。父に、火の用心のねがいをこめてプレゼントしたのだ。
 それ以来、父はたばこをすう時は、必ず私のあげた灰皿をそばに置いてくれてある。たばこをすっている途中で止めなければならない時は、きっとその灰皿の中で消してくれている。私の気持をくんでくれた父に対し、その灰皿をいつもきれいにすることで感謝の気持をあらわすことにしている。
 たばこの投げすてによる山火事。
 自分たちの大切な宝である火によって、これもまた大切な資源を灰にしてしまう、灰をかき集めてきても元の家にはならない、洋服にも、お札にもならない、形のあるものが、形のないものになってしまうのである。役にたってくれている火、なくてはならない火、「ありがたい」火に感謝する心で扱ったら、過失などということはなくなるのではないだろうか。
 私の家では万一にそなえて消火器を2本、お店と、台所近くの階段のところに置いてある。器具があるからと言って安心してはいけない。家族ひとりひとりが、火に神けいを使うようにしている、火が消えていることをたしかめてからその場を動く。ひとりの目ではなく全員の目で火の用心を、そして私の家からは決して火事を出さないようにしようと思う。
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