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【広報ふじ昭和52年】キノコの中毒にご用心

秋も深まり、山の木々が色づく頃になるとキノコ狩り、栗拾いのシーズンとなります。北部に広大な富士山麓をひかえている富士市においても、さかんに行われています。
 「キノコは食べたいが毒キノコがこわい!」これは当然の話ですが、行き過ぎになると、野生のキノコはすぺて“毒”と信じている人もあり、また一方では「茎が縦に裂けるから食べられるとか、色が地味だから食べられる」というような迷信を信じやたらキノコを食べる人も少くありません。このような人がいるのでキノコによる中毒はあとを絶ちません。静岡県におけるキノコ中毒は、過去10年間で14件(患者98名、うち死者1名)発生しており、ツキヨダケ、カラハツタケ等の毒キノコが原因となっている場合が多く、中には名前の不明のものを食べている例もあります。富士市でも、昭和51年10月に12名、49年9月に7名とツキヨダケによる中毒が発生しています。
 さてキノコ中毒を防止するには、次のことに注意して下さい。

●迷信を捨てること
 茎が縦にさけるから、色が地味だから大丈夫だという迷信がありますが、代表的な毒キノコである、ツキヨダケ、ニガクリタケ、ベニテングタケ、ドクツルタケ、ニセクロハツアイゾメシベフタケ、コボネホウキタケ、カキシメジ、サクラベニタケ等の中で、茎が裂けないのは、ニセクロハツのみ、色が毒々しいのは、ベニテングダケのみです。

●毒キノコから覚えましょう
 毒キノコは数多くありますが、過去の中毒例から見て、ツキヨダケ、イッポンシメジ、クサウラベニタケ、カキシメジ、マツシメジ等による中毒が多いようです。これらの見分け方を十分調べて知っておくことが必要です。触っただけで中毒を起すようなものはありませんので、採集の際に、香り肉の色、乳の変化等を十分調べる習慣をつけることが必要です。キノコ狩りの際には十分に気をつけて事故のないようご用心願います。
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