ことしは開設10周年記念
富士市に精神薄弱児施設「ふじやま学園」が開設されて10年の歳月がたちました。市民の善意の結集であるハートビル運動がもりあがり、その結果、大淵の高台にふじやま学園が誕生したことは当時また関係者にとってすばらしい出来ごとでした。
現在、小学校1年生から中学3年生までの50人の子どもたちが身辺自立の習得に、あるいは学習にと、親元を離れ職員と寝食を共にしてがんばっています。ことしの11月には、学園で開園10周年の記念行事を行うべく計画をすすめています。学園に入園してくる子ども達は、いろいろな原因から精神の発育がおくれ、食事排せつ、衣類の着脱、入浴など人間が生きていくための基本的生活習慣の処理すなわち自分の身の回りのことが仲々うまくできない子どもたちです。学園では、毎日の日課を通して、この子ども達の情緒の安定を図りつつ起床時のフトンたたみから、着衣、歯みがき、洗面と普通の子どもであれば容易にできることがらについての指導が続けられています。食事ひとつをとってみても、よくご飯をこぼす子、ハシをうまく使うことができず、つい手がさきにでてしまう子どもなどさまざまな場面でその都度指導して行かなければならないことが沢山あります。身辺、自立面のみでなく学習面においても地元大淵中学校及び大淵第二小学校に学籍をおく施設内特殊学級として8人の派遣教員により10人前後の少人数でクラス編成をし、おのおのの子ども達の能力に応じた教育内容を折り込みながら、授業を行っています。そして素直で明るく、しかも正しい生活習慣を身につけた子どもに育てることを目標として掲げています。健康面についても、市立富士中央病院をはじめ市内の精神科医及び歯科医とも連けいを保ちながら管理に細心の注意を払うとともに、いろいろな行事を組み入れて子ども達の発育の向上と社会性のかん養につとめています。
なお、この10年間に学園を卒園した子どもは54名に達し、中には直接社会に出て働いている者も数名あり、それぞれの職場にあって一生けんめいがんばっています。
仕事の内容は単純でも一般社会人に混って黙々として働く姿は、安堵と障害者福祉の理想を感ずるものであります。おわりに指導は早ければ早いほどその子どもの幸せにつながります。
施設入所のご相談は市福祉事務所福祉課(51-0123 内線234)又はふじやま学園(35-0313)にいつでもおでかけください。
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