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【広報ふじ昭和52年】 第5回緑化作文コンクール入賞作品 市長賞

「さいばい委員になって」

 丘小学校5年 稲葉泰弘
- 写真あり -

 ぼくは、去年さいばい委員でした。いつも家の庭は父が草を取りしょう毒をし、ひりょうをやってかわいがっています。
 それを見てよーし。今度はぼくが学校の庭の手入れをし、大ぜいの人達が喜こぶ緑をふやそうと心に決め、さいばい委員になりました。でもぼくのクラスは男子がぼく1人でした。
「ちえッ。」
なんだ。こんなことなら、ほかの委員のほうがよかったなあ。とその時はこうかいの気持でいっぱいでした。
でも、たのしいこともありました。それは、委員の人達がとても親切だったことです。
くわをかしてくれたり、牛のふんを運ぶ時は、くさくていやなのにいやな顔もしないで、たいへんな仕事を進んでひきうけてくれました。仕事が終って、この植木がどんなに大きくそだつだろうかと思ったり、どんな花がさくのかなと考えたりした時は、とてもたのしかった。でもつらいこともありました。それは「はいるな!」とたてふだをしても、平気でかだんにはいったり、せっかくあせかきながら、やっと花をさかせたのに、それをおられるとほんとうに花がかわいそうだと思いつらかった。みんなが力を合わせながら、そだてたのがつぼみをもっている時、大雨がふったり、風にふかれたりしながらも美しくさいて、みんなを楽しませてくれた時は、ほんとうにうれしいなと思った。
そして、緑は、目のためにいいし、緑を見ていると、なんとなくおちつき心が休まるような気がする。こんな緑が、みんなの手によってもっとふえるといいなと思う。
草木は、口をきけない。
話もしない。
動くこともできない。
しかし、それが、できる物以上に人々の気持ちを動かしてくれるのだ。
それは、毎年、春になると、新芽を出し、緑の葉をしげらせ、美しい花をつける。
夏には、日かげを作り、みんなを休ませてくれる。
秋には、おち葉になったり1年中変化し、すばらしいと思う。
この美しい自然の力へ、さらに、ぼくたちが、協力しあい、緑を、もっとふやしたいと思う。
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