【広報ふじ昭和52年】自動車排ガスによる「窒素酸化物」の実態調査結果まとまる
富士市には、国道一号線を初めとし、国道139号線(大月線)東名高速道路など主要道路が縦横に走っており、近年モーターリゼーションの発展と共に、道路は一大公害発生源となっており、特に「窒素酸化物」については、固定発生源(工場、事業所)にくらべても、より大きな影響を環境におよぼしているといわれています。
しかしながら、これらの実態把握については、いろいろな測定方法で単発的な調査は、過去なんどか行ってきたが広範囲にわたる「自動車排ガスによる窒素酸化物(NO2)二酸化窒素の実態調査」は今回が初めてです。
この調査は、去る3月20日と21日の2日間にわたって、市内の主要道路である国道一号線および大月線(139号線)の交差点20か所と常時監視局10か所の計30か所で数年来検討してきたトリエタノールアミンろ紙法=TEA法=という簡易測定法で次のような測定を行いました。
調査の方法
市内国道一号線および大月線の主要交差点20測点をえらび、交差点の4隅にトリエタノールアミン液を含ませたろ紙を納めた測定カプセル2個づつを設け、計8個の平均値をもって、主要交差点の濃度とします。また市内常時監視局10測定点のサンプリング孔にも測定カプセルを設け合せて調査を行いました。
◆実施日 52年3月20日〜21日
◆調査地点 市内国道一号線、大月線20か所(地図参照)
◆調査機関 市環境部公害課
◆調査結果
- 図表あり -
( 図表説明 ) TEA法による窒素酸化物の濃度調査結果
国道一号線柏原旧国道入口が一番高く81.6マイクログラム
今回の測定結果では、国道一号線の柏原旧国道入口で1日当り窒素酸化物が81.6マイクログラムと一番高く、ついで弥生線と大月線との交差点で65.3マイクログラムでした。
また、国道一号線、大月線、常時監視局別にみますと、国道一号線の平均濃度は、53.6マイクログラム、大月線で48.3マイクログラムであり主要交差点の窒素酸化物の濃度は、環境測点にくらべて約2倍前後の数字を示しました。なお、昨年度の建設省の調べでは、国道一号線の1日の車の交通量は、2万8,425台であり、大月線の交通量は2万2,045台ありました。このことから、上記の国道一号線と大月線との平均の数字の違いは、交通量の差ではないかと推測されます。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 市内30か所の測定地点
◇参考
トリエタノールアミンろ紙法とは(T.E.A法)
TEA法というのは、プラスチック製のカプセルに、TEA液をしみこませたクロマト用ろ紙2枚1組を下図のように十字あわせにして入れ、大気中に一定時間放置しておき、捕集された窒素酸化物(NO2)を定められた基準ではかる方法です。この分析値は、Mg/day/100平方センチメートルの単位であらわし、窒素酸化物による大気汚染の指標とするもの。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 参考
添付ファイル
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