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【広報ふじ昭和52年】富士市交通安全対策会議 交通事故の死者ゼロをめざして…

第2次交通安全計画スタート

 ことしも、4月5日から15日まで、春の交通安全運動が行われました。しかし、テレビや新聞は毎日いたましい交通事故を報じ、いっこうに後を断ちません。富士市では、交通安全対策会議が新たに昭和55年度までの第2次交通安全計画をたてて陸上交通の安全についての総合的な施策をまとめ、市民総ぐるみの長期にわたる根づよい交通安全対策を推しすすめていくことになりました。
■長期の根強い市民総ぐるみ運動で…

 こんどの計画は、去る46年から50年まで行われた第1次交通安全計画の考え方を基本にしたもので、交通事故による死者を無くすために交通弱者といわれる歩行者や自転車の利用者、特にこどもと老人、身体障害者などが安心して通行できる交通環境をつくり、長期にわたり市民総ぐるみによる運動を展開していくことが最重点にとり上げられています。そのためには歩道や自転車道、信号機等の整備や増強をはじめ交通安全に対する認識を一般に深め、交通ルールを守り、被害者を救済するための対策などが総合的に盛り込まれています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 春の交通安全運動の第1日目、街頭で交通安全のチラシを配る渡辺市長
■先ず交通環境の整備を!

 そこで、まず第1に交通環境の整備がとり上げられています。当市は産業、経済、文化の発展により、いちぢるしく都市化が進んでいるため人口の増加にともなって自動車の保有台数も急激に増加し、昭和45年度から5か年間で人口1.1倍に対し、自動車は1.3倍にも増え、更に増加する傾向にあります。このような情勢の中で、道路を機能別に分類し、渋滞のはげしい国道など市内の道路全般についての路面の改良や踏切など混雑する道路施設の改良、歩道、立体横断施設、中央分離帯などの整備とさらには信号機、道路反射鏡、防護柵、道路標識、横断歩道などの交通安全施設を更に充実していく必要があります。また、交通規制取締りなどについては、歩行者や自転車利用者などの安全確保を重点とした総合交通規制の推進と死亡事故を無くすための速度制限、追越禁止、駐車禁止などの規制を大巾に拡大し、事故に直結する飲酒、暴走など悪質運転や違法駐車、道路の不正使用の取締りを強化していくことにしています。このためには、都市計画、都市交通計画の一環としての駐車場整備や、すでに吉原地区と富士駅周辺地区、富士見台団地内で実施している都市総合交通規制を更に伝法地区や鷹岡地区、広見団地、今泉地区などに広げるとともに、こどもの遊び場などについてもこまかい計画が盛り込まれています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 市内の自動車保有台数と免許取得者
■安全対策の基本−交通安全教育を

 次に、第2の施策としては、交通安全教育がとり上げられています。
 当市の交通事故による死者は、過去の最高を記録した昭和45年の56名をピークに第1次交通安全計画の強力な推進と徹底した車社会における交通安全教育の推進などによって年々減少していました。しかし、昭和49年から再び上昇傾向に転じつつあるので、これを更に4分の1から0にするためには学校教育や社会教育の場を通じて継続的にとり上げていき、民間団体の育成強化や市民総ぐるみの交通安全運動により安全意識を高め、交通事故の減少傾向を定着化していく必要があります。このためには、今後積極的なPR活動を続けていくとともに、幼児交通安全クラブ(リスさんクラブ)の充実強化や交通安全母の会の結成、地域や職域における交通安全会の組織結成の指導強化などもとり上げられています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 市内の人身事故発生状況
- 写真あり -
( 写真説明 ) リスさんクラブの充実強化をはかる
■深刻化してきた被害者の救済対策

 第3としては、交通事故被害者の救済対策推進が考えられております。被害者の困窮はいまや大きな社会問題となってきており、被害者や家族に深刻な影響をおよぼしている現状から被害者に対して救急体制の整備や交通事故相談を通じて援護活動などを行っていく必要があります。このためには、救急搬送や無線連絡体制を確立し、救急医療施設の整備、更には交通事故相談活動の充実強化などを積極的に推進するほか、市民交通傷害保障制度の充実や交通遺児等に対する援助も必要とされます。現在、当市で行っている市民交通傷害保険の加入促進と福祉手当の支給を更に一歩前進させて、遺児の自立、助長を図るための援助を充実することなどが内容となっています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 類型別事故発生状況(昭和50年度)
添付ファイル
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