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【広報ふじ昭和51年】“ごみもまた宝”

天間川坂町に見るごみの再利用ときれいな街づくり

 いまでは、どこの町内へいってもごみ置場がたくさんあります。そして、毎日のようにごみを満載した収集車が道路を行き交っています。
 しかし、この収集車が運んでいくごみは本当にごみばかりでしょうか?平和な日本に“ごみ戦争”という言葉まで生れて、わたしたちの家庭でも毎日のごみ処理が日課になっており行政の中でも清掃業務が大きなウエイトを占めてきています。このため、毎日でるごみを処理するのに毎年ばく大な予算が投入されています。そこで、わたしたちは、この辺でもう一度ごみについて考え、ごみについての認識を新たにしてものを大切にしていきたいものです。天間川坂町では、町内が一丸となってごみの再利用運動を推進し、大きな成果をあげています。そして、富士市環自協でも、近く広見町を不燃物再利用モデル地区に指定して全市的にこの運動を盛り上げていくことになりました。みんなで積極的に協力して、市全体が他の市町村の模範となるよう不燃物の再利用を考え“きれいな街”づくり運動を推進しましょう。

いまでは町内全家庭が協力…

 天間川坂町が、ごみの再利用ときれいな街づくり運動をはじめたのは3年前。東京都のごみ戦争の様子をテレビで見て、せめて、自分達の町内からはごみをなるべく出さないようにしてごみの再利用を考えてみようとはじめたのがキッカケ。この計画を思い立ったのは、道草を摘みながら楽しく学校へ通った頃の“のびのびとしたよい子”を育てようと発足した“みちくさ会”という子供を育てる会。最初は婦人会や子供会、社会教育推進会の体育部などに呼びかけて、会員の家庭から出るごみを集めては、会員と家族の奉仕で再利用できるものとできないものとに選別して、びんや古紙などを売却してきました。最近では、町内全家庭がこれに協力して、台所からでるごみ以外は全部集まるようになりました。
 ごみ収集の方法としては、各家庭が、再利用できるごみとできないごみを区別して、近くのごみ置場に都合のよいときに出しておきます。それを2か月に1回位の割合で、トラックを持っている町内の人達が、公会堂横の遊園地広場に集めます。集まったごみは、更にびん類や古紙などに仕分けされてそれぞれ売却され再利用できないごみは処理場へ運んで処理します。これらの作巣はすぺて“ごみのないきれいな街”をつくるためにみちくさ会の会員を中心に子供会と婦人会、体育部の会員がそれぞれ交替で無料奉仕で行います。こうして、町内約200世帯から出るごみの量も大変なもので、古紙や鉄くず、びん類など再利用できるものだけでも毎回トラック3台分くらいとなります。
 ちなみに最近の売却代金を見ると次のようになります。
・6月20日 3万8,580円
・8月29日 2万4,245円
・10月27日 4万1,155円
 これらの売却代金は、すべて町内みんなのために使われており、これまでに子供会に野球帽(男子)とベレー帽(女子)をそろえ、天王祭の祭絆天もそろいました。そして、最近では、町内の氏神である白山神社の太鼓を修理(修理費約8万円)しようと張切っており、すでに第1回目として10月17日に行った売却代金4万1,155円が積立てられ、12月に第2回目のごみ収集を予定しています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 主婦の手で再利用できるものだけまとめて通路わきなどに集められます

環自協がごみの再利用を全市的な運動に…

 一つの町内でさえこれだけのごみが再利用できるのですから、市全体で行えばばく大なものとなることは明らかで、市の清掃管理課が去る8月18日から9月6日までの間に市内全域から集めた約14万トンのごみの中からいったいどのくらい再利用できるかを調べて見たところ、わずか6日間で次のような数字が出ました。
 そこで、10月29日開かれた環自協役員会で、この問題がとり上げられ、とりあえず広見地区をモデル地区に選び、約3,440世帯から出るごみの再利用を試み、やがて全市的な運動として、運動の輪を拡げていくことになりました。

収集量 142,860トン
内訳
・鉄類  30,920トン(21.64パーセント)
・びん類 10,800トン(7.56パーセント)
・ビニール14,613トン(10.23パーセント)
・ガラス類76,458トン(53.58パーセント)
・その他  7,759トン(5.43パーセント)
・紙    2,220トン(1.56パーセント)


●天間川坂町内会会長 都築千代治さん
- 写真あり -

 みちくさ会を中心に町内のみなさんがよく奉仕してくれるので、道路などもごみ一つ落ちていません。
 いまでは、子供達でさえ学校の行き帰りにジュースなどの空かんが落ちているとそれを拾ってごみの収集場所へ置いてくれます。近ごろではちり紙交換の車もこの町内はす通りするありさまで、これからもぜひ続けたいと思っています。

●主婦 佐野八重子さん
- 写真あり -

 わたしの近所でも庭や近くの空いている物置きを借りて鉄くずや空缶、古本などを集めています。家庭の主婦のちょっとした心掛け次第で町内もきれいになり、その都度、各家庭から寄付をあおがなくてもこども達にも祭ばんてんなどをそろえてやれ、こんなよいことはありません。
 町内のみなさんが、同じ目的にむかって協力し合えるのもいいですね。

●みちくさ会会長 渡辺幸彦さん
- 写真あり -

 3年前にはじめたこのささやかな運動が、町内のみなさんのご協力で今では町内あげての大きな事業となっています。街をきれいにする運動がすでに日常の生活にとけ込んでいるせいか最近では、どこの家でも新聞の折込みチラシ1枚でも無駄にする人が少なくなり、子供達も旅行の帰りにはジュースの空かんや紙くずを持ち帰ってくるので、先日もバスガイドさんから大変よろこばれたようです。街をきれいにし子供達のモラルを高めるためにもずっと続けていきたいものです。

◇きょうもさわやかみんなの道路

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