みつまたと和紙づくり
世界ではじめて製紙法を完成したのは中国のさいりんという人です。さいりんの紙は、木の皮や麻、ぼろきれが原料でした。紙の作り方が日本に伝わってきたのは、すいこ天皇のころ(610年)だと、日本書記という本に書かれています。
みんなは、みつまたを知っていますか。枝が3本ずつにわかれていて皮は和紙の原料になる木です。
みつまたは、富士山のふもとにも自然にはえていましたから、戦国時代の終りごろ、するが、伊豆、甲斐(今の山梨県)の方面でだんだん使われるようになりました。これが、“するが半紙”のはじめですが、では富士市の製紙は、いつごろからどのようにして発達したのでしょう。
明治になると、今までにぎやかだった吉原宿は、宿場としての役目がなくなってしまいました。ですから宿場の仕事をして生活していた人達は、なにかほかの仕事をみつけなければなりません。
そこで、野村一郎、影山秀樹、内田平四郎さんらが、かいこをかったり、くわ、お茶、みつまたの栽培をすすめました。そして、みつまたの栽培にあわせて、するが半紙の伝統をいかした和紙づくりもさかんになっていきました。
流しずき
- 図表あり -
( 図表説明 ) 1.「けた」を両手にもって原料液をすくい上げます。
( 図表説明 ) 2.前後左右にゆり動かして水をこしながら適当な厚さに紙をすきます。
( 図表説明 ) 3.しき板の上に1枚ず積みかさねていきます。