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【広報ふじ昭和51年】9月オープンの富士市公設地方卸売市場

 富士市公設地方卸売市場が、予定どおり9月にオープンします。開場は、当初の予定より少しおくれましたが、すでに総ての工事が完了して受入れを待っています。オープン当初は、とりあえず青果市場2社と水産市場1社で統合運営されますが、おいおい流通圏も拡大されていくものと思われます。そこで、今回は、この地方で初めての公設による卸売市場であり、各家庭の台所に直結している流通機構の問題だけに主婦の方々からいろいろな声が聞かれますので、そのいくつかを2人の主婦の方に集約していただき、質問にお答えしたいと思います。

2市4町の関係者で卸売市場開設対策協会が発足

佐野庸子さん (三ツ沢1丁目)
- 写真あり -

◎なぜ、富士市に公設地方卸売市場をつくる必要があったのでしょう

 都市化による農地の減少、兼業農家の増加などによって、岳南地域の農産物の供給は年々減少しています。また、全国の農産物生産地は大型化専門化が進み、生産物は大消費地あるいは大型市場へむけて出荷される傾向が強まっています。
 小さな市場では、産地から直接生産物を荷引きすることがむずかしいため、大市場からの転送品によってまかなわれているのが現状です。地元で生産される「地場産物」もまとまった荷は大型市場へ出荷され、地元市場へは少量が個人の都合や思惑で出荷されるにすぎず、集荷量は安定しておりません。このため、価格が不安定であったり豊富な荷揃いができず、消費者の購買動向に対応できないなど、色々な問題点が出ています。こうした卸売市場を取りまく状況変化に対応するためには、既存の市場を整備統合して、体質改善と集荷、分荷機能を強化することが必要となりました。そこで、より新鮮な品物を豊富に数多く揃え、消費者に安定した価格で供給できるような体制をはかるため、昭和44年に岳南地区公設市場開設対策協議会が組織されました。この協議会は、富士、富士宮、芝川、富士川、蒲原、由比の2市4町の当局と議会代表、青果水産市場の関係者、農協代表、消費者サイドとして婦人会代表などによって構成されました。ついで、昭和49年に用地を取得し、本格的な建設が行われました。

◎卸売市場はどこに建設されましたか

 場所は、市内田島宇山神東100番地で、藤沢薬品東側です。

多種多量の生鮮食料品も集められる大型市場

◎なぜ、そんなに大型化する必要があったのですか

 流通圏を富士市をはじめ、富士宮市、芝川町、富士川町、蒲原町、由比町、山梨県の一部(峡南地域)まで設定し、流通圏人口を現在38万人5年後に約40万人を見込んだのです。そして、まず市場が大きくなれば、多種多量の生鮮食料品などを集める力が備わり、取引きを集中的・能率的に行う機能が発揮できるので、消費者に多くの品物を豊富に、しかも鮮度の良いものを安定して供給できます。次に卸売業者の経営内容、集荷、分荷機能が強化されるので、生産者に安定した販売の場を提供できます。市場の機構も近代化され、情報収集機能も整備されるので、適確な生産状況や消費動向を把握し、価格の乱高下を防止調整することができます。

公正妥当な価格と供給の安定化で 消費生活が安定(消費者)
安定した販路と確実な代金決済で 生産意欲の増大(生産者)
豊富な品揃えと安定した仕入先の確保(流通業者)

有害食品の監視などができる公設市場

大村杳子さん (久沢東)
- 写真あり -
◎市場を公設にするとどんな効果がありますか

 市場の開設者は富士市ですから、入場する卸売業者は対外的にも信頼性が高まり、出荷者には安定した販売の場の提供、買受人にとっては安定した仕入先となります。
 公設市場では、市が決める一定のルールによって公正明朗な取引きが行われるので、出荷者も買受人も安心して取引きを行うことができます。開設者の管理監督によって有害食品の監視や場内清潔の徹底など保健衛生面にも十分な対策を講ずることができます。


■期待される流通コストの引下げ効果と卸価格の安定化

◎卸売市場はどんな仕組みになっているのでしょう

 生鮮食料品が消費者に渡る流通経路は下の図の通りですが、市場内の業者の役割も説明しましょう。
【卸売業者】
 出荷者から販売の委託を受け、または買付けた生鮮食料品を仲卸業者や買受人に卸売をする業者です。
【仲卸業者】
 卸売業者から卸しを受けた物品を市場内の店舗で、仕分け調整分荷して買出人をはじめ買受人に販売する業者です。市場にあっては大量に入荷した物品の迅速な取引と安定した価格を確保するための重要な役割を果します。
【買受人】
 仲卸業者とセリに参加し、卸売業者から品物を買いうけ、消費者に小売する業者(八百屋・魚屋)です。
【買出人】
 市場における取引の能率化をはかる目的で買受人とならない小売業者又は買付けた品物を加工して販売する大口の需要業者で、仲卸店舗や付属店舗から直接買付のできる人です。なお、買受人と異なる点はセリに参加できないことです。
【付属営業人】
 卸売業者の扱う品物以外の食料品や関連商品を取扱う大型問屋等です。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 卸売市場の機構
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