【広報ふじ昭和51年】何とかしよう
空地や海岸になぜ?ごみを捨てるのだろう−
ことしも行楽シーズンがやって来ました。人々は、これから秋にかけて、自然を求めて山や海に出かけます。そして、毎年のことながら問題になるのがごみの山−。しかし、最近では、このごみも行楽の代名詞だけではなくなって来たようです。空地や海岸には、いつもごみが投げ捨てられ、悪臭を放っている処もかなり見受けられます。みなさんは、海水浴場でビニールや廃油やいろいろなごみが身体について不愉快な思いをした経験はありませんか。なぜ人の迷惑になる処にごみを捨てるのでしょうか。ことしも6月5日から環境週間が始まりますが、市民一人一人がお互いに気をつけ合って、せめて自分の住む周囲だけは清潔にしておきたいものです。
美しい自然もごみでだいなし
よその土地から富士市を訪れた人は“以前とくらぺて、空や川が大変きれいになった”と口を揃えていいます。実際、市内を流れる小川には、ふなやこいやはやがうろこをきらきらさせながら澄んだ水の中をスイスイ泳ぎまわり、子供達が、タモで小魚をすくったり、釣りを楽しんでいる風景がよく見られるようになり昔ながらの美しい自然が少しづつよみがえってきました。わたしたちはみんなの財産であるこの自然を、いつまでも大切にしていきたいと思います。しかし、せっかく空気や水がきれいになっても野山や海岸にごみが散らかっているのはいただけません。今でも、ごみをこっそり捨てていく人が後を断ちません。ごみが貯まれば、はえやねずみが増えて不潔になります。自分の家や庭先さえきれいになっていれば……という不心得な人が夜でも、こっそり捨てていくのでしょう。
大淵第一小学校の田中先生とよい子達は、PTA会報“ひろば”の3月号で“沢をきれいにしよう”と次のように呼びかけています。
“沢とゴミ”
大淵第一小学校5年2組
この間、落合の沢を通りかかった時の事です。風にながれて、野さいのくさったようなにおいがプーンととんできた。よく見ると、野さいや魚プラスチックのばけつ、ねこ、犬の死がい等が、たくさんつもっていた。みんなに話したら、穴原の沢にも八王子、大久保、天照教、境、富士本、鷹岡、次郎長、大富、三ツ倉等、沢という沢は、ゴミの山です。
このゴミの中を、野ねずみがはしりまわり、はえが飛び汚水が流れている。そのそばにいくと、気持ちがわるくなり、そばによれないほどです。こんな、きたない沢のままでいいのだろうか。みんなで私達の大淵をきれいにしよう。
ごみの減量と不法投棄の追放
環自協も強力に推進……
市内に富士環境衛生自治推進協会(環自協)という組織があります。各町内会毎に自分達の手で町内をきれいに……とつくられた組織で、発足当初は「蚊とはえ」のいない健康で明るく住みよい町づくりを目指していたが、最近では「蚊とはえ」に変って「ごみ」が主役になり、ごみのないきれいな町づくりを当面の大きな課題として取組んでいます。
この環自協の第14回総会が、4月28日に吉原市民会館で開かれました。その席上、名誉会長である渡辺市長は“これからは、ごみを出すことよりも、ごみ資源の再利用を考えていくべきである…”とごみの減量の必要性を強調しました。また、この日の大会決議でも1.ごみの減量と再利用資源化をはかる2.河川、側溝、空地などへの不法投棄を追放し、きれいな環境をつくり上げるなどが全会一致で採択され、強力にこの運動を推進していくことになりました。また今年度の主な事業方針として「ごみの適切な自家処理の奨励と啓蒙」を前面に打出し、不法投棄の追放運動と併せて市民のみなさんのご協力で大いに成果を期待することになりました。
ごみの減量と再利用で快適な環境を−
ごみの自家処理を考えた場合、可燃物のうち紙屑などは空缶などで安全に燃やせば、あとは台所のごみ程度でかなり減量できますし、不燃物にしても、大淵にある産業廃棄物処理場には各家庭や会社、工場などから出るごみが1日約230トン、4トン積みトラックにして約60台分が運び込まれて来ますが、ここでは専門の業者によって毎日かなりの量の鉄くずや空ビン類が回収され、再び資源として運び出されて行きます。ということは、これ以外にも、不燃物であっても各家庭でまだまだ減量できる可能性があるということです。
わたし達は、“もの”を捨てる前にもう一度考えて見ましょう。そしてまだ使えるものは再利用し、使えないごみは野山や沢などに捨てないで、決められた日に決められた場所へ容器に入れて出すようにしましょう。たったこれだけのことが、わたし達の生活環境をどれだけ快適なものにしてくれることでしょうか。
=もう一度考えて見よう。ごみの減量と再利用を=
“前の日にごみを出すのは止めよう”
主婦 佐野明子さん =入山瀬=
- 写真あり -
わかり切ったことですが、燃えるごみと燃えないごみを区別して出したい。買物袋などにごみを入れて、口をしばらないで出すので燃えるごみの中から“かんづめ”の空かんや“ジュース”の空びんが出ているのをよく見かけますが、お互いに気を付けたいと思います。街を歩くとまだまだちゃんとしたごみ置場のないところがたくさんあります。しかしせっかく立派なごみ置場があるのに回収日の前日に出す人がいます。夜の間に犬や猫が袋を喰いちぎって、中のごみがちらかっているのをよく見かけますが、あれは大変汚ないですね。必らず決められた日に出したいと思います。燃えるごみを自分の家で安全に処理して出すよう一人一人の主婦が心掛ければごみの量も少なくなると思います。
“こどもには見せられない”
南町こども会々長 佐野 宏さん =御幸町=
- 写真あり -
こども会の行事があるときは、ハイキングにしろレクリェーションにしろ必ずゴミ袋をもたせてゴミを散らかさないよう指導しているのに、どこへ行ってもこどもには見せられないようなゴミの山が目につく。こういうとき指導者としてより、一人の大人としてこどもに対してはずかしさが先に立つ。野山や海岸などに平気でゴミを捨てるということは、やはりモラルの問題だと思います。これからはやはり一人一人の自覚によって環境をよくしていく以外にないと思います。
- 写真あり -
( 写真説明 ) ここにもゴミが……(富士岡地内で)
( 写真説明 ) あっ!はやがいたぞ−ふなもいるよ!
( 写真説明 ) 排水堀で魚とりを楽しむ伝法小のよい子達
( 写真説明 ) 公園もこのとおり(5月5日・岩本山公園で)
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