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【広報ふじ昭和51年】生物相から見た汚濁度

東海大学に委託して調査

 田子の浦水域の水質測定を昭和45年から毎月定期的に行っていますが、年ごとに良くなってきました。最近では、田子の浦港や河川のあちこちで、魚つりをしている人が多く見られ、コイやフナがつれるようになりました。そこで市でもウナギやアユが潤井川へ上れるように河口へ魚の通る道をつくるよう県に申し入れ、県も工事を行っています。
 昭和45〜46年当時の田子の浦港を見ると、100万トン以上のヘドロが堆積し、硫化水素ガスが発生、魚はもちろん水生昆虫、ケーソウ類が生息できるような状態ではありませんでした。河川についても一部をのぞいて汚れがひどく、魚など見られませんでした。47年からはヘドロ処理や工場排水に基準が設けられ、きびしく監視するようになってしだいに良くなってきました。
 そこで、水質調査だけでなく、49年からは水生昆虫類や水生動物、ケイソウ類などの底生生物相調査を行うことになり、手はじめに東海大学に委託して、昨年3月まで行いました。その後も公害課で継続的に実施しています。

港では水生昆虫類は見られません

 水生昆虫やケイソウ類などの生物を指標とする水質調査では、長期間にわたって対象域の水の中で生きていた生物を調べます。水の中に生活している生物は沢山種類があって、きれいな水でなければ生息できないものや、汚れのひどい中でも繁殖を続けるものもあります。したがって一定の水域で生息している種類を調べることによって、水の汚れがどの程度か知ることもでき、逆にその水域の水の安全性を示すこともできます。
 東海大学の調査で、水生昆虫類からみた水質判定による汚濁地図と付着性ケイソウ類による水質階級地図(下図)ができました。それによると港周辺の河川は、水生昆虫類からみると「非常にきたない」という判定が出ています。また、ケイソウ類から見ると赤淵川、和田川が工場排水、家庭下水などで非常に汚濁されていることがわかりました。たとえば河川の場合、水生昆虫類でトビケラ、ユスリカ、カゲロウ、ミズムシなど、水生動物類でヒル、プラナリア、イトミミズ、ヒメモノアライガイなどです。港では水生昆虫類はみられず、イトゴカイゴカイ、コノハエビなどの水生動物類だけでした。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 付着性ケイソウ類の汚濁指数による水質階級地図
- 写真あり -
添付ファイル
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