【広報ふじ昭和51年】火の用心
春の火災予防運動 2月29日〜3月16日
日本海側で記録的な大雪が降っても太平洋側ではカラカラ天気。静岡県東部地区では昨年12月22日から本格的な雨がなく、昭和48年の雨なし記録の37日間を破り、記録を更新中です。このため異常乾燥注意報が連日出されるなど、タバコの不始末でも大火になりかねない天気が続いています。
春の火災予防運動が2月29日から3月13日まで全国一斉に行われますが、皆さん、火の元には十分気をつけてください。
富士市の出火率は5.5件
人口1万人当たりの出火件数を出火率といいます。昨年の全国平均は6.2件でしたが、富士市は5.5件と全国平均を下回りました。
■111件の火災で2億3,039万円が灰
市内で昨年1年間に発生した火災は111件、2億3,039万円が灰になっています。この火災の原因は相変らずタバコがトップで22件、次いで子供の火遊び18件、ガス器具、たき火などで、全火災件数の半数を占めています。
特に昨年末には、子供の火遊びが原因で住宅など8棟を全半焼する大火がありました。
■消火活動をさまたげるヤジウマ
火災現場に消防車より早くかけつけるヤジウマ。遠くから自動車で来て近くの路上に駐車して見物−−。消防車が現場に行こうとしても、じゃまになって通行できない時さえあります。一刻を争う火災、消火活動が遅れれば大火にもなりかねませんね。
ヤジウマは消火活動をさまたげるだけですから、皆さん物見遊山な気持で火災現場には近づかないでください。
■消火器の相談は消防本部予防課へ
消火器を備える家庭が多くなりましたが、これから買おうという場合どんな消火器を買えはよいのか迷うことと思います。
消火器には、泡、酸アルカリ、炭酸ガス、粉末とさまざまで、大きさもいろいろです。最近は一般火災だけでなく油火災、電気火災にも効果があり、値段も比較的安い粉末消火器が多く出回っているようです。
よく消火器の訪問販売で、「消防署から来ました」「法律で消火器を置くことが義務づけられています」などとセールスをして歩いていますが、そんな法律はありません。消火器を買う場合には、消防本部予防課あるいは消防器具を扱っている専門店に相談していただくことが無難です。
しかし、火災が発生して家庭用の消火器で消せるのは、あくまでも火が出た直後だけです。天井に入ったら消火はあきらめて避難することです。火事の時何より大切なことは、近所に大声で知らせることです。
◇幸せをあしたにつなぐ火の始末
酸欠
■台所やお風呂場などは必ず給・排気施設を
火災と同じように恐しいものが酸素欠乏による事故です。
私達が生きていくのに酸素は欠くことができません。空気中の酸素の割合は21パーセントで、これが18パーセント以下になると人間にとって非常に危険な状態となります。更にこの割合が16パーセント以下になれば、ショック死するとも言われています。
酸欠は炭酸ガスなど他の気体によって起きる場合と燃焼によって起きる場合があります。一般家庭で注意しなければならないのは、後者の燃焼によって起きる場合といえます。
昔の建物に比べ、最近の建築物は冷暖房効果を上げるために気密性が高くなっています。気密性の高い部屋の中で燃料を燃すときは、当然酸素の供給(給気)と排気を考えなければなりません。給・排気設備の全くない部屋で燃料を燃せば酸素が次々に消費され、酸素濃度が急激に低下します。
したがって、酸素の供給が悪いと燃焼状況も不完全になり、人間にとってきわめて危険な一酸化炭素が発生します。
(*一酸化炭素が空気中に0.3パーセント混入すると死の危険があると言われています。)
薪、石炭、重油のような燃料の場合、部屋の中では煙突なしに使用できませんが、煙の出ない灯油やガスはそのまま使用されています。燃料消費量の少い器具を短時間使用する場合は問題ないとしても、風呂釜や大型湯沸器など燃料を多量に、比較的長時間使用する場合は、給・排気設備が絶対必要です。しかし、ストーブ、ガスレンジ、湯沸器など燃料消費量が少くても、一度に使用する場合は、やはり給・排気設備が必要です。
■酸欠事故は特殊なケースではありません
沼津市の市営住宅で、1月27日、ガス暖房器による酸欠事故が発生し、一家3人のうち1人が死亡、2人が中毒症状を起こしています。この事故は、給・排気施設が不充分だったために起こったものです。また、湯沸器をつけたまま寝込んで、一酸化炭素中毒死をした例もあります。
炭酸ガス、一酸化炭素中毒など酸欠事故は、特殊なケースのように思われていますが、身近かな場所で実際に起こっていますので、皆さん十分注意してください。
我が家の防火対策
杉山貞子(48才・河原宿)
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お宅では火災に対してどんな注意をしていますか−。
台所、お風呂場などの火元は寝る前に必ず点検します。それとガスの元センを締めますね。特に火を使う場所には、燃えやすい物を絶対に置かないようにしています。
これまで恐しい思いをしたことはありませんか−。
ええ、近所で火事があった時、足がガタガタしてすぐに動けなかったですね。それにおじいさんがコタツでタバコを吸っていたんですが、いつの間にか居眠りをはじめて、タバコの火がコタツのフトンをこがしたことがありました。この時はほんとにびっくりしました。それ以来寝タバコはやめさせて、家族も十分注意をしています。
万一の備えはどのようにしていますか−。
消火器はもちろんお風呂の水もこぼさないで置いてあります。いずれにしても火を出さないように皆んなで注意をしています。
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