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【広報ふじ昭和51年】成人者 渡辺市長に聞く 3

物価問題に将来の不安が

司会 
 世の中の移り変わりがはげしく、毎日が緊張の連続のように思えます。皆さんは現在の世の中で危機感を感じませんか−。
成人者
 先ほどの話しにもありましたが、交通事故もいやですね。交通戦争といった方が適切ですか−。
市長
 交通事故に限らず、いつ不慮の災害が起こるかわかりませんね。実際に私達の周囲で起こっていますから−。
成人者
 何から何まで機械化され、機械に働かされている人間、気持にゆとりがなくなり計算で物事をはじき出し、人間らしさが失われてしまいます。
成人者
 だれでも言うことですが、物価問題もそうだと思います。どんどん上がって止まることがない−−不安ですね。
成人者
 ほんとに上がりすぎだと思います。私が子供のころ小使いは1日に10円でした。今の子供は10円で何も買えないですね。それだけ物価は上がっているわけですが、その割に給料は変わらないですね。
市長
 実感としてそうですね。
成人者
 勤めるようになってから、つくづく感じるようになりました。
市長
 私達が子供のころは1日の小使いは1銭でした。その小使いも家の仕事を手伝ってようやくもらえました。それで黒玉が5個買えました。
成人者
 今のように物価が上がっている状態では、女房をもらって子供を養っていけるか不安ですね。
市長
 私が若いころはひとりで生活できなくても、ふたりなら大丈夫と言われました。それで女房が働らくわけでもありませんでしたから。でも皆さん、そんなに悲観しないで、どんな小さなことでも夢を持ってください。

心が通い合う福祉を

司会
 皆さんは福祉施策についてどのようにお考えですか。本来の福祉は行政だけでなく、回りの人がお互いに助けあっていかなければならないと思います。
成人者
 困っているからお金を出すそれも必要ですが、その人のためにはよくありませんね。心が通い合わなければ、青少年だと非行に走ったり、老人の場合だと生きがいがなく生きているのがつまらないということになりかねません。
成人者
 年寄りは若い人とあまり話しをしたがらないですね。それよりも近所の年寄りと世間話しをするのが楽しいらしいですね。
成人者
 老人同志の話し相手も大切だと思いますが、それでは年をとる一方ですね。若い人も年寄りといっしょに話しをしたり、何かやってもいいのではないでしょうか。子ども会、青年団の活動の中にお年寄りも入れていったら、喜んで参加してくれると思います。
市長
 老人ホームのお年寄りが一番喜んだのは、幼稚園や小学校低学年の子どもが慰問に行った時です。ほんとに心の問題ですから年寄りも若い人も、子供も、みんながいっしょになって、ひとつの目的に向って行くことが大切です。
成人者
 よく、福祉にはお金がかかるといわれますが、実際、お金がなければ福祉の充実は無理ですか。
市長
 これまでの福祉はバラまきだと非難されています。富士市も福祉に力を入れてきましたがバラまきとは違います。援助をしなければ社会の一定線まで行けない人達に重点的に手をさしのべてきました。それと精神面の援助、老人クラブの育成、ホームヘルパーもひとつですね。このほか、老人クラブの皆さんが奉仕団をつくって、公共施設の修繕や清掃などをしてくれますが、これもひとつの目的に向って助けあう、奉仕活動の中から生きる喜びというものが出てくるものと思います。
- 写真あり -
( 写真説明 ) お年寄りで奉仕団を結成し公共施設の整備

釣りができるほどきれいになった河川

司会
 富士市は一時公害のデパートなどといわれ、全国でも有名になってしまいましたが大気をはじめ水質、悪臭などきびしい防止対策を実施した結果、だいぶよくなったと思います。公害全般を見て皆さんはどのように感じますか。
成人者
 川もきれいになりましたね。釣りをしている人をよく見かけるようになりました。
成人者
 庭の柿の木が最近よく実をつけるようになりました。
市長
 植物や動物は正直ですね。公害がひどい時は、実がならなくなったりします。逆に川がきれいになれば、いつのまにか魚も住みつきます。
成人者
 公害病のことが盛んに言われましたが、富士市はどうでしょうか−。
司会
 公害病の認定患者は11月現在国が607人、市が200人います。富士市の場合、国と市の2本立てになっています。これは同じ市内に住んでいて、道路や川を隔てて差別するのは不公平ですからね。
成人者
 市の認定者が200人というのはずいぶんはっきりした数字ですね。
市長
 公害病の認定は、主治医から申請があったものを公害病認定審査会で審査します。審査会には、中央の公害審議会を兼ねている千葉医大の先生方が中心に、地元の医師会の先生が入っています。審査もきびしくやっています。さもなければ、大変なお金がかかりますから。

- 写真あり -
( 写真説明 ) ぜんそくの治療を受ける子供

公害のない活気のある町づくり

司会
 最後になりますが、皆さんの望む富士市について一言づつお願いします。
池田
 私はこれからもリーダースクラブの活動で子供達と接していくつもりですから、子供が非行に走らないような富士市というものを考えてください。
西村
 隣近所で助け合えるような生活をしてみたい。それが明るく住みよい町、よりよい富士市づくりにつながると思います。
上柳
 公害のない町にしたい。産業も盛んでみんなが住みよい活気のある町。
山田
 文化活動が盛んな心がやすまる町。せわしくなく、人と人とのつきあいが暖かみのある町。
大島
 自然を守り育てることは、心にもゆとりができます。調和のとれた都市づくり、未来に希望が持てる町づくりを進めてください。
市長
 もう皆さんも立派な成人です。自分の町や国を盛り上げていくことを考え、ひとりひとりが連帯感を持ち、自分の分野で頑張ってください。今日はほんとうにありがとうございました。私も20万市民、みなさまとともに住みよい富士市の建設に努力いたします。
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