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【広報ふじ昭和50年】製紙スラッジ(PS)問題で市民懇話会

中小企業は共同焼却炉の建設を計画

 昭和46年、製紙排水の水質基準が制定され、それまで汚水といっしょに田子の浦港に排出されていたスラッジ(PS)は、産業廃棄物として処理することになりました。当時130の製紙工場から1日に出るPSの量は約2,500トンにのぼり、新たに当市の大きな問題となって提起されました。
 そこで、PSの処理については減量対策、有害物質の除去を第1の目的として、業界などと協議検討を重ねました。この結果、PSは焼却による恒久処理が最善の方策ということに意見が一改し、昭和47年9月から2年間の間に焼却炉の建設を進めることになりました。
 この間大手企業は、自からの責任において処理する法の基本姿勢をもとに自家焼却施設を建設しました。中小企業は共同焼却炉の建設に踏切ったものの一部を除いて用地を求めながらも、地元との話し合いがつかず、期間内の建設ができませんでした。


総排出量2,000トンの4分の3をすでに焼却

 以上がPS処理、についての経過ですが、現在のPS排出量は、1日に約2,000トンが排出されています。この内4分の3は焼却されていますが残りの4分の1の500トンは、処理する目途がついていません。これらは工場内や社有地に野積みされたり、業者に委託して他に搬出し処理しているのが実態で、すでに飽和状態にあります。
 こうした企業のPS処理対策いかんによっては、今後業界の動向、ひいては地域の環境保全、住居生活の保持など社会的に大きな影響をきたします。そこで市は、廃棄物処理の研究を行っている学者、関係機関などと対策を検討してきました。同時に市民各層の意見を求めるため、9月28日第1回市民懇話会を開き、現状の鋭明をして理解を求めました。引続き第2回目の懇話会を10月21日に開きました。


PSは焼却処理に

 その中で多くの方から、減量対策を兼ねたPCB除去を考えるに、従前の市の基本方針である焼却処理方策と暫定的埋立の是認、合わせて資源の再利用を充分研究し、地場産業である製紙企業を育成すべく、この状態をもっと理解し市民も一体となって協力し富士市のことは富士市内で解決していく姿勢が強調されました。
 今後はこれらの意見を参考にしながら、残りのPS処理対策を1日も早く講じてまいります。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 社有地に野積みされているスラッジの山
( 写真説明 ) 大手工場は自家焼却施設を建設
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