【広報ふじ昭和50年】消費者と生産者と流通業者のための大型市場
51年4月開設をめざす富士市公設地方卸売市場
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新鮮な品物を豊富にそろえ市民に安定した価格で供給
都市化による農地の減少、兼業農家の増加などによって、岳南地域の農産物の供給は年々減少しています。また、全国の農産物生産地は大型化専門化が進み、生産物は大消費地あるいは大型市場へむけて出荷される傾向が強まっています。
小さな市場では大型化、専門化された産地から直接生産物を荷引きすることがむずかしいため、大市場からの転送品によってまかなわれているのが現状です。地元で生産される「地場産物」もまとまった荷は大型市場へ出荷され、地元市場へは少量が個人の都合や思惑で出荷されるにすぎず、集荷量は安定しておりません。このため、価格が不安定であったり豊富な荷揃いができず、消費者の購買動向に対応できないなど、色々な問題点が出ています。
こうした卸売市場をとりまく状況変化に対応するためには、既存の市場を整備統合して、体質の改喜と集荷、分荷機能を強化することが必要となりました。そこで、より新鮮な品物を豊富に数多くそろえ、市民に安定した価格で供給できるような体制をはかるため「公設地方卸売市場」の建設を行うことになり、昨年3月用地を買収し、12月着工しました。
市場の建設地は、田島地先の藤沢薬品東側で、敷地面積は66,000平方メートルです。これまで青果卸売場、水産卸売場、付属店舗などの主体工事もほぼ終り、まもなく冷蔵庫の建設工事に取りかかります。これらの工事は来年3月までに完了しますので、オープンは4月の予定です。
流通圏人口は38万人
市場は富士、富士宮市、富士川町にある既存の青果、水産市場を統合しますから流通圏も広範囲になります。流通圏は富士市をはじめ富士宮市、芝川町、富士川町、蒲原町、由比町、山梨県の一部(峽南地域)まで含まれ、流通圏人口は現在38万人昭和55年には約40万人になる見込みです。
市場大型化の必要性
市場を大型化・公設化することは消費者・生産者・業者にとっても多くの利点があります。
まず市場が大きくなれば多種多量の生鮮食料品などを集める力が備わり、取引を集中的・能率的に行う機能が発揮できるので、消費者に多くの品目を豊富に、しかも鮮度の良いものを安定して供給できます。
次に卸売業者の経営内容、集荷、分荷機能が強化されるので、生産者に安定した販売の場を提供できます。
市場の機構も近代化され、情報収集機能も整備されるので、適確な生産状況や消費動向を把握し、価格の乱高下を防止調整することができます。
市場を公設化することの効果
市場の開設者は富士市ですから、入場する卸売業者は対外的にも信頼性が高まり、出荷者には安定した販売の場の提供、買受人にとっては安定した仕入先となります。
公設市場では、市が決める一定のルールによって公正明朗な取引きが行われるので出荷者も買受人も安心して取引きを行うことができます。
開設者の管理監督により有害食品の監視場内清潔の徹底など保健衛生面に十分な対策を講ずることができます。
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市場における業者の役割
生鮮食料品が消費者に渡る流通経路は下の図のとおりですが、市場内の業者の役割を説明します。
〔卸売業者〕
出荷者から販売の委託を受け、または買付けた生鮮食料品を仲卸業者や買受人に卸売をする業者です。
〔仲卸業者〕
卸売業者から卸しを受けた物品を市場内の店舗で、仕分け調整分荷して買出人をはじめ買受人に販売する業者です。市場にあっては大量に入荷した物品の迅速な取引と安定した価格を確保するための重要な役割を果します。
〔買受人〕
仲卸業者とセリに参加し、卸売業者から品物を買いうけ、消費者に小売する業者(八百屋・魚屋)です。
〔買出人〕
市場における取引の能率化をはかる目的で買受人とならない小売業者又は買付けた品物を加工して販売する大口の需要業者で、仲卸店舗や付属店舗から直接買付のできる人です。なお、買受人と異なる点はセリに参加できないことです。
〔付属営業人〕
卸売業者の扱う品物以外の食料品や関連商品を取扱う大型問屋等です。
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( 図表説明 ) 卸売市場の機構
添付ファイル
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