市は48年度に富士・愛鷹山麓地域における自然環境保全と土地利用計画についての調査を専門家に委託して実地しました。この結果を指針にして、去年4月、山麓の開発事業に歯止めをかける行政方針を打出しました。
富士・愛鷹山麓調査によって、この地域の自然の仕組みや、土地利用にあたっての方向を見出すことができました。しかし“自然環境”については、既存の観測資料だけで自然の特性を導き出すには困難なものもあります。そこで、山麓地域の自然条件を観察、調査し、市の自然保護行政に助言していただくため、さきごろ「富士市域自然調査研究会」を結成しました。
研究会は、地形や地質、気象など自然科学に関心を持っている市内の研究家、専門家によって組織されています。メンバーは県地学会員の小川賢之輔さん(中里)をはじめ、植物の研究をしている鈴木四郎さん(伝法)など27人です。
第1回目の打合で、52年7月までの2年間続けることとし、この間に地形・地質、河川・地下水、気象、植生、生物相について調査、観察に取組むことになりました。