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【広報ふじ昭和50年】高校進学生を持つ親の悩み!進学は地元の学校へ…

■県立普通科高等学校建設促進富士地区期成同盟会を発足

富士地区に県立普通科高校を誘致するため、富士市と富士宮市、芝川町の関係者約100人が7月17日富士市役所に集まり、県立普通科高等学校建設促進富士地区期成同盟会設立総会を開きました。総会では会長、副会長を選出、実行委員、監事の指名、当面の運動方針などを協議、最後に決議文を採択し、今後2市1町が一体になって誘致運動を進めていくことになりました。

当面の運動方針などを協議

会長に渡辺市長が選ばれる

 富士地区の高校設置状況は、県立高校が6校、市立高校1校、私立高校2校の合計9校で、入学定員は3,448人です。これに対し本年3月の進学志望者は4,300人で、地区内収容は不可能な状態となっています。また、49年度に富士地区の中学校が高校進学コースについて調査したところ、県立普通科への入学志望者は約2,100人(全進学志望者の48パーセント)もありました。ところが、実際に入学出来たのは1,315名で、約800人が転科または他地区の私立高への入学を余儀なくされています。
 このように、他地区校への依存が多く、高校の絶対数が不足していることから、高校入学に関する住民の要求はとくに切実なものとなってきました。
 そこで、富士地区における高等学校の不足を解消し、地域の教育水準の向上を図るため、2市1町が協力して県立普通科高校の誘致運動を進めていくことになりました。この運動を幅広く進めるため、7月17日、2市1町の首長をはじめ、議会議員代表、助役、教育長、教育委員、校長会代表、PTA代表、教職員団体代表など約100人が市役所に集まり、“県立普通科高等学校建設促進期成同盟会”の設立総会を開きました。
 この総会で会長には渡辺富士市長副会長に植松富士宮市長、野村芝川町長が選ばれました。また実行委員には中井富士市議会議長はじめ20人が指名されました。
 続いて、期成同盟会の当面の運動方針を協議しましたが、9月県議会にむけて陳情署名を募り、県知事や県教育委員会などに対しても陳情を行う。用地の選定など建設促進に必要な調査活動を行う。住民に対するPR活動を展開していくことを決めました。
 最後に次のような決議文を採択し強力に誘致運動を進めていくことになりました。

決議文

 富士地区は、ここ数年来、県内有数の人口急増地区として知られ、これに伴う行政需要は増大の一途をたどっている。なかでも次代をになう児童・生徒の教育施設の充実は最も緊急かつ重要な課題である。
 とりわけ、本地区の高等学校進学率は92パーセントを越え、国及び静岡県の平均を上回り、進学志望者の数はおおむね4,300人に達している。
 しかしながら、地区内の高等学校入学定員は3,448人であって、地区内入学は絶対的に不可能な実態にある。加えて選択科程の関連などを考慮すると毎年全入学者の5人に1人は地区外入学を余儀なくされ、とくに普通科への入学志望者にこの傾向が顕著であり、これに伴う生徒及び父兄の精神的・経済的負担ははかり知れないものがある。
 本地区の今後の人口の増勢及び高等学校・大学進学率の上昇を見通すとき、普通科高等学校の新設が緊要である。
 こうした実態をふまえて、本日ここに富士市・富士宮市・芝川町の住民が大同団結して富士地区への県立普通科高等学校の建設促進にむけて強力な運動を展開する決意を新たにするものである。
 昭和50年7月17日 県立普通科高等学校建設促進富士地区期成同盟会設立総会
●人にまかせておけない高校建設
神尾郁子(荒田島・40才)
- 写真あり -

 県立高校建設の問題は、以前市長相談の時、市長さんに直接お願いしたことがあります。先日新聞で、高校誘致のため期成同盟会が出来たことを知り、私の意見が取り上げられたのかしら、ちょうど建設のために動きだす時期だったのかしらなどと思い大変うれしかったです。
 とにかく、男子の普通科高校が少ないことは前から感じていたんです。子供も中学2年になると、あと1年しかありませんから、人にまかせておけない気持です。同盟会ができて希望がもてましたから、自分自身ができることなら何でもしますから、1日も早く建設してほしいですね。


●子供の進学は悩みの種
森島の小野さんと佐野さん
- 写真あり -

 2人とも中学に行っている子供がありますし、まだ小学校の子供もいますから、高校の誘致は大賛成です。1日も早くできればいいと思います。
 富士宮に今年私立高校ができたようですが、県立の普通科がほしいですよ。
 近くになければ他地区の高校へ通学させなければならないし、遠くの学校へ1時間も2時間もかけて通うのでは、体もやすまらないでしょうし心配だしほんとに悩みの種です。
 県下各地区で誘致運動をしているようですから、もっともっと力を入れてください。私達も協力いたします。


●大学進学のことも考え普通科高の建設を
鈴木久一(厚原西・42才)
- 写真あり -

 子供がひとり北高に行っているけど、下の子のことを考えると県立の普通科高校がほしい。普通科高校が少ないと工業や商業科など専門科の高校へ行くようになると思うが、授業内容も違うようだし、大学進学のことを考えるとどうしてもつくってもらいたい。
 県立高校に比べ私立高校は授業料も高いし、公立の大学より高いなんていう話しも聞いたことがあります。
 これから誘致にむかって運動を進めていくと思うけど、多くの市民に参加してもらったり、用地なんかを決めるのもひとつの方向だね。話しがでても具体化するまで大変だと思うが、みんなで協力して1日も早くつくりたいね。
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