【広報ふじ昭和50年】少数精鋭で市民サービス
地方自治体の職員数や人件費のあり方が現在論議されていますが、この機会に富士市の実情を説明いたします。
社会福祉対策の充実で職員が増加
本市の行財政環境は、地場産業の紙・パルプ業界をはじめとする各企業の不況などを反映し、今後、市税収入の伸びが鈍くなることは必至です。この反面、市税収入に対する人件費の割合は、高くなり48年度において47.9パーセント、49年度はほぼ50パーセント、50年度当初は56.4パーセントで予算総額の31.5パーセントとなります。こうした人件費の増加は、富士市のみでなく、すべての自治体にとって重要な問題となっています。
職員数の増加や人件費の増大の要因としては、急激に増大した行政重要への対応、国の委任事務の増加、さらに戦後最悪といわれるインフレの進行に伴い、2年間にわたる給与の大幅改訂があげられます。とくに行政需要の増大に伴う職員増は、保育園など社会福祉施設の設置、公民館、幼稚園、消防力の充実、清掃処理能力の強化など市民サービスの向上に直結する部門が増員となっています。
人と仕事の効率的連けいをはかる
富土市の職員数は3月1日現在2,273人、市民87.3人に職員ひとりの割合で、他の人口類似都市に比べすこし多くなっています。しかし、職員数を単に人口の対比だけで多いとか少いとはいえません。その都市における行政のしくみや施設の行政需要、行政姿勢によって異ります。
具体的な例として、ほぼ同じ人口の沼津市と富士市の職員数のうち、特色のあるものを示すと表のとおりです。
この比較だけでも富士市は沼津市より348人多くなっていますが、この分はすべて市民生活に直結したサービス面です。
職員数は都市それぞれの実態を正確に把握した上で考えなければなりませんが、今後とも人員の適正化をはかり、人件費の増大を抑えることは当然行っていきます。このため、事務の簡素化、合理化、能率化、機械化をさらに進めるなど人と事務との効率的連けいをはかってまいります。また、自然退職や勧奨退職などによる一般事務職員の補充は極力最少限にする一方、職員の若返り対策、職員研修なども積極的に行い、少数精鋭主義で市民サービスの低下をきたさないようにいたします。
委任事務の改善なども国に要請
地方財政の圧迫と地方自治の危機を招いているのは、現在の行財政制度の欠かんも原因となっています。委任事務や財源配分のありかた、超過負担など権限と財源の問題です。
とくに、補助金制度は補助基準、補助単価、補助対象などが低く抑えてられているため多額の超過負担を生じています。前号でもお知らせいたしましたが、本市における超過負担は48年度建設費と人件費をあわせ5億7,000万円にものぼっています。
これらの制度改善は、一自治体の力で行うことは困難ですから、市民世論をバックに、国に対して強く働きかけていきます。
- 図表あり -
- 写真あり -
( 写真説明 ) 社会教育活動に利用されている公民館
添付ファイル
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