富士市 FUJI CITY Official Site

富士市
広報ふじ > 昭和50年 > 昭和50年3月25日 177号 > 【広報ふじ昭和50年】南富士ゴルフ倶楽部が 公道や河川までもゴルフコースに

【広報ふじ昭和50年】南富士ゴルフ倶楽部が 公道や河川までもゴルフコースに

 県や市の行政方針を無視して、南富士ゴルフ倶楽部が大淵丸火東地先でゴルフ場の建設を進めていることは、みなさんご承知のとおりです。ところが、このゴルフ場の中には、5本の公道と河川もありますが、これらの公共物まで破壊し、ゴルフコースとして造成しています。
 個人の権利を主張して、国民の財産を自分のものにしてしまう。こんな勝手なことを絶対許しておくわけにはいきません。そこで、県や市は再三にわたって公共物をもとどおりにするよう命令を行ってきました。
 また1月29日には、富士市町内会連合会から渡辺市長に「富士市の自然を守るため、富士・愛鷹山麓の自然を破壊する南富士ゴルフ場の造成工事阻止について」の陳情が出されました。
 市はなんとしてもこのゴルフ場の建設を阻止してまいりますので、これからも市民のみなさんの力強い援助をお願いいたします。それでは市が、富士・愛鷹山麓の開発規制をした経過と南富士ゴルフ場についてお知らせいたします。

行政方針を無視して造成を強行

 昭和47年ごろから、富士市内の富士山や愛鷹山麓地域に、ゴルフ場の造成を主体にした開発計画が相次いで起りました。なかには、活発に土地買収をはじめた会社もあり、当時標高400メートルから900メートルにかけた地域で約1,400ヘクタール(人口にして20万人位が住める広さ)にも及ぶ広大な山林が開発されようとしました。そのままほおっておけば国有林や市有林をのぞいて、ほとんどが大資本の手に渡りかねませんでした。
 そこで市は、富士・愛鷹山麓の乱開発を防止し、自然環境保全と効果的な土地利用をはかるため、山麓地域の科学的専門調査を行う一方、48年3月から翌年3月まで、土地利用計画の審査を保留しました。科学的専門調査は、地形・地質・地下水・河川、植生、生物相、気象、土地保全住民意識などあらゆる面から行いました。
 この調査の結果、調査委員会から「ゴルフ場、レジャー施設、別荘地などの大規模開発が計画されている地域は自然環境保全、災害防止上から、すべて保全すべき区域で、一定規模をこえる開発行為は一切認めない方針で進むべきである」と提言されました。
 市は、この調査結果の主旨を尊重し、昨年4月1日、富士・愛鷹山麓地域の自然を守るため、標高200メートル以上、10ヘクタール以上の大規模開発を認めない行政方針を打ちだしました。このため、ほとんどの企業が市に協力して開発計画を断念しましたが、南富士ゴルフ倶楽部だけは、市の方針を無視し、ゴルフ場の造成を強行しています。
 この間、市は再三にわたって工事を中止するよう申入れしましたが、私有権を主張してどんどん造成を行い、公道や河川までも破壊しその原形もほとんどわからなくなりコースの一部になってしまいました。

県市が公共物の復元を命令

 県も富士市のゴルフ場問題を9月県議会で取り上げ、市とまったく同じ方針で進むことを決めました。そこで県と市は、南富士ゴルフクラブに対し、10月24日と25日、弟1回目の公道や河川の原状復元命令書を出しました。命令書は、ゴルフ場の造成で破壊された公道や河川が、公共物としての機能を保つことができるように求めたものです。
 また、市民団体も立ち上がり、9月16日、現地で抗議集会を開きました。これに続いて、10月27日と11月23日の2回、ゴルフ場の造成で公道が破壊されてしまうのを防止するため、公道との境にクイ打ちを行いました。

公共測量で公道や河川の位置を確認

 県と市が出した公共物の原状復元命令書に対して、南富士ゴルフ倶楽部からは、公道や河川の位置がはっきりしないので指導してほしいという回答がありました。このため県は、1月16日から19日までの4日間、法律に基づく公共測量を行いました。
 作業は地図や航空写真などで確認した公道や河川を実測して、クイを打ち国有財産であることを示す看板を立てました。ゴルフ場内の公道は5本で延べ5キロメートル、河川は滝川の支流で約500メートルあります。
 この公共測量でゴルフ場内の公道と河川がはっきりしました。そこで、県と市は3月4日と5日、公共測量にもとづいて再び公道と河川の原状復元の指示を行いました。
 内容は公道や河川が本来の役割をはたすことができるように、これらに布設されているものを撤去し、原状にもどせというものです。もし、南富士ゴルフがこの原状復元の指示に従わなかった場合は、富士市普通河川条例をはじめ、公共物を保全させるための関係法令によって、強い措置をとることにしています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 昨年10月27日、「ゴルフ場建設に乱開発を許すな」と市民団体も立ち上がり公道との境にクイ打ち
( 写真説明 ) 1月16日から19日までの4日間、ゴルフ場内の公道や河川のはっきりした位置を示すため県が公共測量
( 写真説明 ) 1月29日、富士市町内会連合会から29,607人の署名を添えて南富士ゴルフ場の造成工事阻止について陳情
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
E-mail kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp